最も身近な飲み物の1つ
「コーヒー」がトクホに

仕事を始める前の1杯、午後のブレイク、気分転換の一服……。そんなコーヒーがもたらしてくれるささやかなリラックスタイムが、健康改善に役立つ新習慣になりそうだ。

ヘルシアシリーズで特定保健用食品(トクホ)ブームを起こした花王から4月4日、新商品「ヘルシアコーヒー」が発売された。「ヘルシア緑茶」の登場から10年。シリーズの特徴である「脂肪を消費しやすくする」という機能を備えた“トクホの缶コーヒー”の登場だ。

コーヒーブレイクのひとときを
新しい健康習慣にしてほしい

安川拓次●やすかわ・たくじ
花王株式会社 ヒューマンヘルスケア事業ユニット フード&ビバレッジ事業グループ 事業グループ長 執行役員 食品研究所所長やヘルスケア事業本部長を経て2008年より現職。「誰もが生き生き暮らすアクティブシニア社会を目指す」。

ヘルシアコーヒーでは茶カテキンに代わる新たな保健機能成分として、コーヒークロロゲン酸に注目。世界で初めてこの成分が脂肪を燃焼しやすくするメカニズムを解明し、製品化に成功した。「開発に着手したのはヘルシア緑茶を売り出した2003年。10年がかりでようやく、もう1つの世界的飲料であるコーヒーをラインアップに加えられました」。プロジェクトの責任者で、同社のヘルスケア事業を統括する安川拓次事業グループ長は感慨深げに語った。

「レギュラーコーヒーと比べても遜色ない風味を目指した」(安川氏)との言葉どおり、缶を開けると、焙煎コーヒーならではの豊かな香りが鼻をくすぐる。その仕上がりはコーヒー鑑定士がレギュラーコーヒーに近いバランスと認めたほどだ。

こだわりには理由がある。ヘルシアシリーズは毎日飲み続けることで、トクホの機能が生きるように設計されている。「そのため、商品の力を発揮するには 飲みやすさが重要となります。特にコーヒーは嗜好性が強いため、雑味のない、クリアな風味を出すのに苦心しました」

ヘルシア緑茶は日本人が普段から飲んでいるお茶の機能を高め、「毎日の食事を通じて、無理なく健康改善に取り組める」というコンセプトを打ち出したことで、一躍ヒット商品となった。今回登場したヘルシアコーヒーは、既存の缶コーヒー市場を開拓できるか。「『健康』という切り口でコーヒーのポテンシャルを引き出し、市場に新たな価値を提供したいと考えています」。安川氏はこう展望する。