環境や社会へ貢献するための新たな取り組み
SCAT株式会社は、美容業界向けのITソリューション提供、介護サービス事業、中小企業向け会計・ビジネスサービスの提供を柱にビジネス展開する企業だ。付加価値としての“Plus1”の提供をモットーに、美容業界やビジネス業界へ向けて幅広く、サービスの提供を続け、すでに多くの顧客から厚い信頼を得ている。また、ESG、SDGsへの取り組みにも積極的な企業でもある。
「弊社でもESG経営を掲げておりますので、環境や社会に貢献していきたいという想いで企業活動を行っています。ホームページでも我々が取り組んでいる内容を掲載し、率先して美容業界などにも広めていこうという活動をしてきました」と語るのは、SCATで美容業界向けのITソリューションを提供するBICT事業部の事業部長である福田博行氏だ。
「これまでも、契約書の電子化といった取り組みは積極的に行ってきました。ただ、弊社の業態では環境に直接関わる場面が少ないため、どのように取り組んでいけばよいのか戸惑うようなことも正直なところはありました」と言葉を続けるのは、同事業部の部長、小川泰弘氏だ。
SCATでは、社会が求める持続可能性に応える形で、これまで以上にESG、SDGsへの取り組みを強化すべく、環境への新たな関わり方を探すことになった。
見える化できるPCを通したカーボンニュートラル
SCATがESG、SDGsに関する新たな行動を求めていると知り、かねて取引をしていたキヤノンマーケティングジャパン株式会社の山川 凛氏は、業務で使用するPCを通しての環境貢献を提案したという。「SCATさまから、環境保護、サステナブル経営に取り組みたいというお話をいただきました。そこで、以前日本HPさまから情報提供をいただいていた『HPカーボンニュートラルコンピューティングサービス』および『PCリユースプログラム』が最適ではないかと考え、日本HPさまと協働でご提案することになりました」と山川氏は語る。
「HPカーボンニュートラルコンピューティングサービスはPCの原材料調達から使用、破棄まで、各デバイスのCO2排出量を算出して、オフセット(相殺)するという内容になっています。オフセットは国際的に信頼されている専門機関の厳格な基準であるカーボンニュートラルプロトコルに従い、精度の高いカーボンフットプリントの算出後、実行されます。オフセットが適用されたPCはカーボンニュートラルなPCとなり、証明書の発行も可能です。現状で考えられる最も環境に配慮したPCの提供、その効果の見える化ができるため、環境貢献への明確な取り組みを求めていたSCATさまに最適な指標をご提供できると考えました」と語るのは、株式会社 日本HPの那覇 正氏だ。
提案を受けた小川氏は次のように印象を語る。
「HP製のPCを採用することによってカーボンオフセットが実現できるということで、私たちとしても取り組みやすく、美容業界でも同じようにESG、SDGsへ関心がある方に紹介しやすいと感じました」
福田氏は、当初の不安が払拭されたと笑顔を浮かべる。
「事前にいろいろと調べてはいたのですが、脱炭素という大きな課題に私たちの会社でどのように関わっていけるのか、正直イメージが湧きませんでした。しかし、HPカーボンニュートラルコンピューティングサービスは、業務で使用するPCのライフサイクルの中で実現可能なため、身近に感じることができました。これなら私たちでも取り組んでいける、というのが第一印象でしたね」と笑顔で語る福田氏。
2023年の年末、SCATはHPカーボンニュートラルコンピューティングサービスの導入を決定。既存のPCをHPが定額で買い取るPCリユースプログラムも同時に契約することで、PC入れ替え時のコストメリットも十分な形でのスタートとなった。
「HPカーボンニュートラルコンピューティングサービスの日本リリースと、ほとんど同時の導入でしたから、前例がなく情報が乏しい状況の中でのスタートでした。多少の不安はありましたが、サービスについてキヤノンマーケティングジャパンさまと日本HPさまがよく説明してくださったので安心して始めることができました」と福田氏は語る。
PC入れ替え時のコストも同時に抑えることができたPCリユースプログラムについて、小川氏は次のような感想を述べた。
「PCリユースプログラムも、とても良いサービスだと思います。しかし、対象がPCのみに限定されるのが少し勿体ない気がします。弊社では、取り扱っているPCのほぼすべてがデスクトップPCのため、キーボードとマウス、ディスプレイが付属しております。現状のサービスでは、これらのデバイスだけが取り残されてしまうのです。今回は、個別に処分という形を取りましたが、なるべくなら一緒に引き取っていただけるととても助かります」
企業がサステナブルな社会の実現に取り組む理由
カーボンニュートラルは、EUなどですでに一般的な取り組みとなっているが、日本においては、まだ十分に広がっていないのが現状だ。SCATの事業は環境と直接的な繋がりがあるわけではなかったが、環境貢献への強い想いがHPカーボンニュートラルコンピューティングサービス導入を後押しすることになった。
「美容業界においては、環境への取り組みが浸透しているとはいえない状況だと思います。しかし、私たちも長年この業界のICT化に取り組んできたこともあり、ITと関連する環境への配慮等についても私たちが率先して取り組むことで、業界への刺激となる働きかけができるのではないかと思いました。HPカーボンニュートラルコンピューティングサービスは、まさに私たちが求めていたソリューションだったといえます」(福田氏)
「カーボンニュートラルに関してどのような効果があるのか、なかなか目に見えにくいというのがこれまでの現状でした。しかし、HPカーボンニュートラルコンピューティングサービスなら、日本HPさまから証書が発行されるので、株主さまやお取引企業さまへのご説明をする際に説得力のある材料をお示しできるのが強みだと考えています。今回の導入でまたひとつ、弊社の取り組みをご紹介できるようになりました。業界をリードしていきたいという私たちの目的にとっても大変役立つサービスだと思います」(小川氏)
「今後は今回の取り組みをホームページなどでPRしていきたいと考えています。美容業界向けのシステムのご提供に関しては大きなシェアを獲得させていただいていることもあり、広くお取引のあるみなさまに『環境にも配慮している』というイメージが広がってくれれば、業界での印象も変わってくると思います。私たちの取り組みがきっかけとなり、美容業界全体がサステナブル社会の実現へ向けて一歩ずつ進んでいければ素敵だなと考えています」と福田氏は最後に語った。キヤノンマーケティングジャパンと日本HPは、これからもSCATの環境貢献への取り組みを支えていく。
SCAT株式会社
美容サロンなどに向け、顧客・売上管理システムなどを開発・提供するSCAT株式会社。「DX(デジタルトランスフォーメーション)はすべての事業、業務プロセスの大前提であり、デジタル革命や新技術によるビジネスモデルの変化に対応していくこと」を標榜し、『Plus1』の付加価値を提供することで企業価値向上と社会貢献を目指している。