日本通運では2024年6月、荷物を1個から鉄道や船で輸送することができるサービス「NX カーボンmini」を開始した。2024年問題への懸念やCO2排出量削減への社会的要請が高まる中、同サービスは物流業界の課題を解決する新たな一手となりうるのか。利用者にとってのメリットや今後の展開などについて、杉山千尋副社長に聞いた。

2024年問題とCO2削減を同時に解決する新サービス

近年、物流業界ではいわゆる2024年問題への懸念が広がっています。トラックドライバーの労働時間が短縮され、人手不足が進む中、多くの企業がトラックでの輸送は段階的に難しくなっていくだろうと感じるようになっています。こうした懸念から、従来はトラック一辺倒だった輸送を鉄道や船での輸送に転換する「モーダルシフト」に関心を持つ企業が徐々に増え始めています。

鉄道や船での輸送には、トラック輸送に比べてCO2排出量を低く抑えられるという利点もあります。国は2030年に温室効果ガス排出量を2013年比で46%削減すること、2050年に完全なカーボンニュートラル社会を実現することを目標に掲げており、これは物流企業にとっても重要課題となっています。そのため、2024年問題がある程度解消したのちには、多くの企業がCO2排出量削減への取り組みを加速させると考えられます。

日本通運株式会社 代表取締役副社長、副社長執行役員 杉山千尋氏
日本通運株式会社 代表取締役副社長、副社長執行役員 杉山千尋氏

日本通運ならではの総合力で実現する「モーダルコンビネーション」

また、コロナ禍以降、企業の物流への考え方は、リードタイム重視から適正輸送へ、最小在庫での運営から安定在庫での運営へと変わってきています。輸送手段をトラックから鉄道や船に転換すると、どうしてもリードタイムが長くなりますが、その点も発荷主と着荷主の間で合意に至れる環境が整いつつあります。

私は長く営業畑を歩んできた人間で、今もほぼ毎日お客様先に出向いていろいろなお話をさせていただいています。その中でこれらの変化を感じ、今後はモーダルシフトのニーズが加速度的に高まっていくだろうと考えました。そうしたお客様からいただいたヒントも生かしつつ商品化したのが、環境配慮型の小口輸送サービス「NX カーボンmini」です。

CO2排出量削減は世界的な重要課題です。日本でも、その点に貢献できるサービスの利用頻度は今後10年ほどかけて上昇していくでしょう。10年後を見据えるのではビジネスとして気長すぎると思われるかもしれませんが、私はそうした時代の到来に備えて先手を打つことも重要だと思っています。

(以下から特製ホワイトペーパーをダウンロードすれば、杉山氏が語る「NX カーボンmini」の特徴についてより深く詳しく理解していただけます。)

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