消費者の健康志向の高まりを受け、「プリン体0(※1)・糖質0(※2)」のビール類の人気が年々高まっている。各社がしのぎを削る中、「9年連続売上アップ(※3)」「出荷数通算25億本突破(※4)」を達成したのが、キリンビールの『淡麗プラチナダブル』だ。2024年1月にリニューアルを実施し、さらにおいしさに磨きがかかった。消費者から選ばれ続ける理由とおいしさの秘密を探った。

※1 100ml当たりプリン体0.5mg未満のものをプリン体0と表示。
※2 食品表示基準による。
※3 2014年8月新発売時から2023年12月までの当社出荷数量に基づく
※4 2014年8月新発売時から2023年12月までの当社出荷数量を350ml缶換算で本数を算出

「ずっとビール類ライフを楽しみたい」からプリン体0×糖質0ビール類を選ぶ人が増加

ビール類市場全体を見ると、消費者の飲酒習慣の変化などを背景に縮小傾向が続いている。そうした中でも、コロナ禍以降続く健康意識の高まりから「ゼロゼロ系」と呼ばれるプリン体0・糖質0のビール類市場が好調。中でも売上を伸ばしているのがプリン体0・糖質0の『淡麗プラチナダブル』だ。

キリンビールの『淡麗プラチナダブル』は、2014年の発売以降、販売数量が9年連続で年間販売数量を更新。さらに、リニューアルを実施した2024年1月の販売数量も前年同月を上回っている。

2024年1月にリニューアルし、さらに進化した『淡麗プラチナダブル』

好調の背景について、キリンビール マーケティング部の山口彩氏はこう語る。

「最も大きな要因は、当社が2014年に『淡麗プラチナダブル』を発売した頃から、お客様の健康意識が高まり続けているということです」

健康志向を追い風に売上を伸ばしているプリン体0×糖質0ビール類。

「プリン体を気にする方は、従来は40~50代の男性が中心でした。実際、2003年にプリン体を90%カットした『淡麗アルファ』を発売した際、お客様からは『夫がプリン体を気にしているので、重宝しています』などの声が多く寄せられていたんです」(山口氏、以下同)

しかし、その傾向に変化が現れる。きっかけは、コロナ禍の生活習慣における行動変容だった。

「コロナ禍で外出自粛が呼びかけられる中、家庭の食卓にアルコールが登場する頻度が増え、さらに巣ごもり生活が長引いたことで消費者の健康志向も急速に高まりました。その結果、『いまは糖質やプリン体を気にしていないけれど、今後もビール類ライフを楽しみたいからプリン体0×糖質0ビール類を選ぶ』というお客様が増えてきたんです」

キリンビール マーケティング部 山口彩氏

実際にキリンビールが行ったお客様調査では、30代くらいから『今と同じような飲み方を続けてもいいのだろうか』と、漠然とした不安を抱えている方が増えることがわかった。

「こうした糖質やプリン体への意識の高まりから、30代の方々にも新たに購入していただけるようになりました。発売当初からのお客様がファンとしてしっかり定着し、そこに新たなお客様が加わったことにより、ターゲット層のボリュームが厚みを増してきました。このことが、売上アップの大きな要因と言えると思います」

消費者の健康への意識は、その後も引き続き高まり続けている。プリン体0・糖質0の市場は、今後も堅調に推移する見込みだという。

「糖質に加えて、これまで目を向けてこなかったプリン体にも気を遣うユーザーは増加傾向にあります。『ビール類は飲みたいけれど、糖質やプリン体が気になる』という意識を持つ男性を中心に支持をいただいています」

「ビールに近いおいしさ」を本気で追求してきた「淡麗」の思い

ただ、プリン体0・糖質0のビール類を選ぶことで罪悪感が軽くなっているとはいえ、「せっかく飲むならおいしいものが飲みたい」というのが消費者心理というもの。

「最近では、ハイボールやチューハイなど、プリン体や糖質が0のアルコール飲料の選択肢が増え続けています。その中でも変わらずビール類を選んでいただいているお客様は『大好きなビール類を諦めたくない』という特別な思いを持つ方々です。だからこそ私たちも、よりビールに近い味わいを本気で追求してきました」

その思いは、「淡麗」のブランド名にも込められている。基幹商品である『麒麟 淡麗〈生〉』は、1998年の発売以来、10回も味をリニューアルするなど、「ビールに近いおいしさ」を徹底的に追求し続けてきた発泡酒のロングセラー商品。『うまさを磨き続ける』という淡麗シリーズのコンセプトは、『淡麗グリーンラベル』『淡麗プラチナダブル』においても貫かれている。

「2002年に糖質70%オフ(※5)の『淡麗グリーンラベル』を発売。翌03年にはプリン体を90%カットした『淡麗アルファ』を発売しました。キリンは、今から20年以上前に、すでにプリン体に着目した商品を発売していたのです。そして2014年には『淡麗プラチナダブル』が誕生。発売当時から一貫して淡麗ブランドらしい『爽快なキレ』と『飲みごたえ』がある、より満足感の高い商品を目指しています。キリンが20年以上にわたって磨き続けてきた『うまさとプリン体0・糖質0を両立する技術』には、絶対の自信を持っています」

※5 日本食品標準成分表2020年版(八訂)による。

爽快なキレと力強い飲みごたえが特長の『淡麗プラチナダブル』

ビール類ライフを長く楽しむための「賢い選択」

こうした「うまさへのこだわり」によって、『淡麗プラチナダブル』のリピート率は上昇している。2020年に行ったリニューアル後の味わいについて、キリンビールが行った調査によると、80%(※6)の人が「おいしい」と答えている。

「具体的には、『爽やかでキレがあって、飽きのこない味です』(50代男性)、『ビールに近い味で、プリン体0・糖質0なのが魅力的』(40代女性)、『喉越しがよくて飲みやすい上に、プリン体0・糖質0はうれしい。うちの冷蔵庫の定番になりそうです』(40代男性)など、うれしい声を数多くいただきました(※7)。プリン体0・糖質0を志向しながら、おいしさも求める消費者に確実に支持されているという実感を得ることができました」

※6 キリンビール調べ(n=1583)、5段階評価で一番高く評価した人の割合。
※7 キリンビールの調査でお客様からいただいたコメントの中からうれしい声を抜粋して掲載しています。24年1月のリニューアル以前の商品での調査でいただいた声になります。

『淡麗プラチナダブル』は、2024年1月に発売以来5度目となるフルリニューアルを実施した。具体的には、原材料配合を一から見直すことによって、爽快なキレと力強い飲みごたえがアップ。徹底した仕込と発酵の工程管理によって、よりビールに近いおいしさへと進化させながらも、「プリン体0」を実現している。

原材料配合を見直し、厳選された麦芽・ホップ由来のビールに近い飲みごたえを強化

出荷数通算25億本突破と絶好調の『淡麗プラチナダブル』だが、山口氏はさらなるポテンシャルを感じているという。

「テレビCMなどの大々的なプロモーションをしていないこともあり、『淡麗プラチナダブル』の現状の認知度は、高いとは言えません。しかし、だからこそ伸びしろは十分にあると考えています」

人口の半分が50歳以上の中高年層となり、本格的に「人生100年時代」が到来している日本。ビール類好きにとっては、今後も末長くビール類ライフを続けていくために「プリン体0・糖質0」を選ぶことが「賢い選択」となるに違いない。

「ビール類を愛する方々に支えられてきたキリンビールだからこそ、今回のリニューアルにあたっても、味わいに妥協することなく研究開発を進めてきました。ビール類ライフを長く楽しむための選択肢の一つとして、ぜひ『淡麗プラチナダブル』を選んでいただけるとうれしいです」