健康な体づくりのために欠かせない毎日の食事。とはいうものの、偏食や暴食を繰り返している人も多いのではありませんか。料理研究家の浜内千波さんがお勧めする十六穀ごはんで、健康に夏を乗り切りましょう。
浜内千波さん
料理研究家。「家庭料理をちゃんと伝えたい」という思いで、ファミリークッキングスクールを主宰。「料理は、もっともっと夢のある楽しいもの」をモットーに各種メディア・講演会に出演。著書多数。

ジュウ、ジュウ、ジュウ……。深型のフライパンでタマネギと豚肉を炒める音が空腹を刺激する。具材に火が通ったのを見計らうと、料理研究家の浜内千波さんがたっぷりの野菜ジュースをフライパンに注いだ。カレー粉と塩で味を調え、そのまま5分煮込めば特製カレーの完成だ。

「では、いただきましょう」

お皿に盛られた炊きたてのごはんには、豆やらなにやらがたっぷり含まれており、ほんのりと色付いている。スプーンでカレーをすくって、ごはんと一緒にぱくり。

「おいしい!」
「サッパリして食べやすい!」
「夏にぴったり!」

テーブルを囲んだ人たちが次々に声を上げた。

健康維持だけじゃない16種類の穀物の魅力

カレーのおいしさを引き立てているのは、浜内さんが選んだ「おいしさ味わう十六穀ごはん」だ。その名の通り、16種類の穀物がブレンドされている。

「健康のために栄養のバランスが整った食事を取りたいと多くの人が考えているけれど、何をどのように取ればいいのかわからない、というのが正直なところだと思います。そんな方には、普段の白米を十六穀ごはんに代えてみることをお勧めします。十六穀ごはんで口にするそれぞれの穀物にはさまざまな栄養素が含まれており、一日に必要な栄養を手軽に取ることができるんです」

なるほど、パッケージの裏面には、ずらりと穀物の名前が記されている。大麦や黒豆などよく知られたものから、たかきびのようにあまりなじみのないものまで、数えるとたしかに16種類。その一粒一粒が、健康な体をつくってくれるのだという。

たとえば生活習慣病の予防に効果のある大麦には、なんと白米の17倍もの食物繊維が含まれているそうだ。しかも水溶性・不溶性の2種類の食物繊維をバランス良く含んでいるため、身体を整え、すっきりとした毎日が期待できるという。

また、美容にも良いと女性から注目を集めるはと麦には、たんぱく質の元となるアミノ酸(グルタミン酸、プロリン、ロイシン)が含まれている。さらに、体に元気をくれるセサミンを含んだ黒ごま・白ごまには、カルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などミネラルも多い。中国では「食べる滋養源」と呼ばれるゆえんだ。

ほかにも、白米の23倍ものカルシウムが含まれるアマランサスや、必須アミノ酸をバランス良く取れるため海外のスーパーモデルにも人気のキヌア、楊貴妃も愛用したと伝えられる黒米など、さながら穀物のオールスターそろい踏みである。

「食事は白米にこだわる人もいるでしょう。けれど精米していない雑穀には、それだけ栄養が残っているということなんですね。何より、十六穀ごはんは、とってもおいしい。栄養はもちろん大切ですが、食事はおいしくなければ意味がないとわたしは思っているんです。おいしくて、健康になれる。十六穀ごはんは、そんな素晴らしい食材なんですね」

おいしさの秘密はブレンドのこだわりにあるという。どの穀物を選び、どんな配合率にするのか。開発の過程であらゆるパターンを試し、実際に食べ比べて、味・香り・食感・色合い・栄養のそれぞれをバランス良く調和した結果が「おいしさ味わう十六穀ごはん」なのである。

「昔ながらの和食はもちろん、十六穀ごはんは洋食にも合うんです。たとえばハンバーグにパスタやジャガイモを添えるところを、十六穀ごはんにしてみるなど、サラダ代わりに食べるのもお勧めです」

よく噛んで食べれば子供の脳が発達する

これまでにも、十六穀ごはんを使ったさまざまなレシピを考案している浜内さんが、野菜不足と夏の暑さ対策に効くメニューを教えてくれた。それが冒頭で記した特製カレーだ。十六穀ごはんとカレーは、とくに相性がいいという。水の代わりに市販の野菜ジュースを使って煮込むのがポイントだ。

「野菜ジュースには10種以上の野菜が入っています。これらの野菜を買いそろえるのは金銭的にも大変ですが、ジュースで代用すれば手軽に摂取できますね。暑い夏でもぱくぱく食べられるので、子供から大人まで夏バテ対策にもぴったりです」

仕事から帰るのが遅くなった。冷蔵庫に買い置きがない。子供が予定外に早く帰ってきた……。そんなときでもパッと作れる、栄養満点の時短メニューだ。

「ごはんをよく噛んで食べれば脳に流れる血液の量が増えるため、子供は脳が発達し、大人は物忘れを予防できるとされています。十六穀ごはんは、噛むことの大切さを子供に伝える食材としてもお勧めです。

最後にもう一つ。十六穀ごはんは時間が経ってもぱさつきません。それだけ保水力が高く、冷めてもおいしいんです。腹持ちもいいので、おにぎりにして職場や塾に持って行くのにぴったりですよ」

いつものごはんにまぜるだけ

16種類の穀物から多種多様な栄養を取れる。いつも通りの水加減にした白米2~3合に、十六穀ごはん1袋(30g)を加え、かるくまぜるだけ。白米同様、早炊きなど炊飯器のタイマーをお好みにセットすればOK。

マルチな栄養だけでなく、彩りもプラス。満足度の高い雑穀ごはんをお手軽に!

(撮影=植田真紗美)