キーワードは「人」「地域社会」そして「地球環境」
――どのような点に力を入れていますか。
【鹿島】1889年の創業以来、皆さんの安心・安全に貢献したいとの経営基本理念の下、共存共栄、相互扶助の精神で生命保険事業を展開してきました。135年前から大事にしてきた思いや取り組みは、まさに今、社会から求められているサステナビリティ経営そのものです。中期経営計画においてもサステナビリティ経営を根幹と位置付けており、当社グループで働く一人一人にも、その考え方がしっかりと根付いていると自負しています。
次世代に持続可能な地球環境を継承するためには、生命保険事業としてお客さまに安心・安全をお届けするとともに、より積極的に社会へ働きかけ、インパクトを与えていくことが重要だと考えます。そこで2023年4月、事業を通じた企業価値向上と持続可能性へのさらなる貢献を目指し、サステナビリティ経営に関する取り組みを企画、統括する組織として「サステナビリティ企画室」を新設しました。私たちがやるべきことを分かりやすく社内外に発信するために、活動を一層高度化させる体制を整え、サステナビリティ重要課題を再整理し「人」「地域社会」「地球環境」の3領域で取り組んでまいります。
――「地球環境」で重視していることは。
【鹿島】この3領域は相互につながりを持ちつつ、「地球環境」の取り組みについては3つの分野を軸としています。CO2削減による「気候変動問題への取り組み」、(公財)ニッセイ緑の財団と行っている「ニッセイの森」づくりをはじめとする「生物多様性への取り組み」、そしてサーキュラーエコノミーの確立に向けた「プラスチック問題への取り組み」です。自社で設定した目標達成に努めることはもちろん、投資先のさまざまな企業さまと丁寧な対話を重ねてエンゲージメント強化を図ることで、共により良い地球環境をつくっていきたいと考えています。
企業が本業で着実に利益を上げて存続することで、社会にプラスの影響が継続的にもたらされる、そんな存在でなければならないと思っています。例えば、どれだけ優れた保険商品を開発したとしても、お客さまの手に届かずお役に立てなければ、安心・安全を提供しているとは言えません。私たちの役割とは、保険商品の販売を通じて経営基本理念にある「国民生活の安定と向上に寄与する」ことに他ならないのだと、改めて思いを強くしています。
言葉ではうまく言えないことも写真なら伝わる
――募集テーマは「たくましく生きる力」。
【鹿島】当社はサステナビリティ重要課題の一つに「希望に満ちた未来世代をはぐくむ」を設定しています。全国の児童・青少年を多彩なジャンルの公演に招待する「ニッセイ名作シリーズ」への協賛、日本生命所属選手によるスポーツ教室の開催、子育てしやすい社会の実現を目指してスタートした「NISSAYペンギンプロジェクト」、子会社のライフケアパートナーズによる子育てと仕事の両立支援サービス「子育てみらいコンシェルジュ」など、長年にわたり子供たちの未来を応援する活動を続けています。
先行き不透明な時代にあっても子供たちが未来に希望を抱き、ひたむきに努力する姿は、地球環境保全という大きな課題に立ち向かう人間や動植物の姿に通ずる点があると捉えています。環境フォト・コンテストの募集テーマを「たくましく生きる力」としたのも、そうしたイメージを重ね合わせたものです。言葉ではなかなかうまく表現できないことが、写真なら力強いメッセージとして伝えられるという側面もあるでしょう。環境フォト・コンテスト2023の環境大臣賞/環境フォト大賞受賞作品「巣作り」なども、親が子に対して抱く愛情が表現されており、当社がテーマに込めた思いや、なぜサステナビリティを重視した企業活動を推進しているのかといった理由が浮かび上がってくる一枚だと思います。
――これからの予定など、お聞かせください。
【鹿島】2023年度内に、サステナビリティ経営における目標をさらに突き詰め、明確化したものを公表すべく準備を進めています。世の中に安心・安全をお届けすると申し上げているからには、何をどのようにすれば目標を達成したと言えるのかを提示することが大切だと思います。そのことで当社が発信することの説得力が高まり、より大きなインパクトをもって社会を変える力になるのだと信じています。
●募集テーマ:たくましく生きる力
●前回の入賞作品