創業50周年を迎えた2022年、タカラレーベンは持株会社体制へと移行し、「MIRARTH(ミラース)ホールディングス株式会社」に商号を変更した。不動産事業、エネルギー事業、アセットマネジメント事業などを展開し、新たなグループ体制でこれまでのサステナブルな取り組みをさらに加速させ、「人と地球の未来を幸せにする企業」への進化を目指す。

不動産総合デベロッパーの枠を超えた未来環境デザイン企業へ

――新たなスタートを切ったグループが目指す企業像とサステナビリティへの取り組みとは。

MIRARTHホールディングス株式会社 グループ経営企画部長兼サステナビリティ推進課長の鈴木健介さん

【鈴木】「Mirai(未来)」と「Earth(地球)」を組み合わせて生まれた「MIRARTH(ミラース)ホールディングス」という社名には、不動産総合デベロッパーの枠を超え、地域全般への貢献を通じて、人と地球の未来を幸せにする企業へ進化したいとの思いが込められています。また、「Our Purpose(存在意義)」として「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」を掲げ、住宅の供給、自然エネルギーの導入といった事業を通じたサステナビリティ活動に取り組むことで、社会課題の解決、SDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献し、永続的な発展を目指しています。

当社グループは、サステナビリティ重要テーマの一つに「環境・文化の醸成」を設定するとともに、環境・文化に配慮した建物と空間の提供を重要課題として捉え、脱炭素社会の実現に寄与する建物の供給を進めています。具体的な取り組みとして、オフィスビルシリーズ「L.Biz」の「L.Biz日本橋」(東京都中央区・2023年3月竣工しゅんこう)では、建築環境総合性能評価システム「CASBEE-建築(新築)」のAランク評価を取得しました。室温制御や照明制御による室内環境の向上のほか、太陽光など自然エネルギーの活用を促進するために階高を確保し、カーテンウォールを採用しています。また、節水器具などを通じて水使用量の削減を図り、環境負荷低減に取り組んでいます。

「CASBEE-建築(新築)」のAランク評価を取得した「L.Biz日本橋」

――環境フォト・コンテストの印象はいかがでしょうか。

【鈴木】まさに環境フォト・コンテストも、「環境・文化の醸成」に関連する活動の一環です。従業員の関心も高く、自分から積極的に審査に参加して、作品や環境への思いを語り合う様子が見られました。「環境への関心が高まった」「文化を通じた社会貢献のアプローチだと理解しやすい」といった声が届いており、サステナビリティに対する社内の意識醸成にもつながっていると実感しています。日々の業務と、当社グループが掲げるパーパスの実現を強く結び付けていく上でも、コンテストへの参加が私たちの事業活動、そこに根差す思いや決意を伝える機会となり、また多くの人が環境について深く考えるきっかけになればと願っています。

最終審査会では優秀賞受賞者と対面してさまざまなお話を伺うことができ、お人柄や撮影時の心情などを知ることで、作品に対する思い入れが一層強まりました。私たちの「水と暮らしの幸せ」という募集テーマでは、写真としての完成度はもちろんですが、その背景にある社会とのつながりや地域に対する思いなどを特に意識して選考に当たっています。今回の優秀賞作品「遠足」も、整然と並んで植えられた稲、土手に咲く美しい花々、その間に延びる道を一列に並んで歩く子供たちなどから伝わってくる、「私たちが守るべきかけがえのないもの」というメッセージ性に引き付けられました。暮らしの中にある幸せを常に考え、環境に配慮した事業を推進する当社グループとの親和性をとても感じた作品です。

2023年優秀賞「遠足」竹内良弘さん
2023年佳作1「あぁ~しあわせ?」倉持萌子さん
2023年佳作2「わあー!気持ちいい!」秋篠重仁さん

――社会からの期待に、どのように応えていきたいと思われますか。

【鈴木】中長期的な成長における重要戦略の一つとしてサステナビリティへの取り組みを位置付け、脱炭素社会実現に向けたCO2排出量削減目標の策定に取り組んでいます。これまで当社グループは、不動産総合デベロッパーとして、理想の住まいの提供を通じて地域課題の解決に注力してきました。これから「人と地球の未来を幸せにする」企業として、不動産はもとよりエネルギー、金融などの事業を融合させ、地域社会との共創、未来の街づくりを推進していきます。環境フォト・コンテストも、各地の皆さまと私たち企業による共創の場の一つです。暮らしの中で感じた自然の美しさ、それをおびやかす環境問題について共に考え、行動していきたいと思っています。