「世界を代表するフォトライフ・カンパニー」を標榜するキタムラは、カメラ販売(新品・リユース)、写真プリントをはじめとする多彩なサービスを提供している。サステナブルな活動の重要課題として気候変動対策はもとより、「フォトライフ充実による幸せで豊かな社会への貢献」を掲げるなど、「キタムラにしかできない取り組みの継続・拡大」に注力する。

瞬間的な美しさ、はかなさを刻み込める

――環境フォト・コンテストの募集テーマ「写真の力~レンズがとらえた瞬間~」についてお聞かせください。

株式会社キタムラ 広報部 佐藤卓さん

【佐藤】目の前にあっても気付かなかったり、ファインダーをのぞいているときでさえも見落としていたりするかもしれない「刹那の輝き」。言い換えれば、瞬間的な美しさ、はかなさ、過ぎ去りゆく時代性といったものを捉えられるのが「写真の力」だと思います。写真を見れば、いつでも時間も場所も飛び越え、二度と戻らないあの感動を共有することができます。思わずハッとさせられた場面、自然が生み出した美しいアート、印象的なワンシーンなど、「多くの人々と分かち合いたい」と思った「瞬間」を切り取ってほしいと思います。

――入賞作品について、どのように感じられましたか。

【佐藤】優秀賞の「時化しける海」は、低気圧の狭間にのぞいた晴れ間がドラマチックな陰影をつくり、荒波のすさまじさが伝わってきます。気候変動の影響を感じさせる一方で、自然の圧倒的な迫力は、ある種の美しさと感動も伴います。写真のリアルな描写力、望遠レンズで強調された臨場感、高速シャッターの効果などを駆使して表現した手腕に魅せられました。

2023年優秀賞「時化(しけ)る海」吉田正男さん
2023年佳作1「希望の光」井上裕康さん
2023年佳作2「太陽の環」佐藤ちえ子さん

佳作「希望の光」は、花火大会を幻想的で美しく、メッセージ性に富んだ作品として仕上げています。「現実」を写して自身の「内面世界」を表現できるのも写真の特徴です。降り注ぐ花火と手を伸ばす少女のしぐさはタイトルにピッタリです。そして「太陽の環」は、日輪とそこに飛んできたアオサギが一緒に写り込む偶然を、見事な画面構成で収めた撮影者の力量が素晴らしいですね。

サステナブルな消費志向にリユース事業で応える

――持続可能性にどのように貢献していきますか。

【佐藤】「ときを映し、こころと生きる」という当社ミッションにあるように、一人一人の大切な瞬間、思い出、記憶といった「とき」を写真や映像として残すためのお手伝いを通じて、全ての人が心の充足を得られる社会の実現を目指しています。そのためには、当社の従業員、そして全てのステークホルダーが幸せであることが前提です。

キタムラ・ホールディングス グループのミッション

キタムラは、世界中の自然や生き物の美しさ、多様性に対して人間が抱く「感動」を、写真や動画を通じて共有したいと考えています。そして、この共有される感動こそが、環境保全意識の醸成や理解につながっていくのだと信じています。「世界を代表するフォトライフ・カンパニー」として、美しい地球を守りながら、フォトライフを通じて豊かさを実感できる社会の構築に尽力します。

――環境保全の取り組みも着々と進んでいます。

【佐藤】「カメラのキタムラ」全637店舗においてLED化を完了し、省エネ、CO2削減に取り組んでいるほか、使用済みフィルムケースや電池、プリンタのインクカートリッジ回収、現像液の適正な処理を行っています。さらにカメラのリユース事業(買取・販売)を展開しており、2022年には、対象をスマートフォンや腕時計にも広げました。日本におけるリユース市場は成長しており、例えばカメラの市場規模は年間600億円規模です。背景にはサステナブルな消費行動の定着があり、スマートフォンや腕時計のリユース事業も着実な成長が見込まれます。こうしたニーズの高まりに応えるべく、新たな取扱品目についても検討中です。また、フォトライフ・カンパニーとして年に2回、当社が主催するフォトコンテストも実施しています。テーマや被写体は自由なので幅広い作品が集まる中、やはり近年は環境問題を意識した写真などもよく見られるようになってきました。地球環境の保護、サステナブルな社会を目指し、「世界を代表するフォトライフ・カンパニー」としての取り組みを続け、拡大していきたいと考えています。

――「環境フォト・コンテスト」参加企業としてメッセージを。

【佐藤】ぜひ、皆さんの自由な発想で「写真の力~レンズがとらえた瞬間~」を表現してみてください。有名な撮影地などへ出かけなくても、視点を変えるだけで、ごく身近なものや風景にも思いがけない「刹那の輝き」を見いだせるかもしれません。素直に美しいと感じた景色や自然現象、日常の中にある驚き、感動などを撮影した作品をお待ちしています。