俳優の佐藤浩市さん(61)、女優の木村文乃さん(35)、そして三井住友信託銀行の専門家(41)。世代や性別の異なる3人が、お金についての価値観や人生の楽しみ方、それぞれの世代にとっての「ファイナンシャル ウェルビーイング」とは何かを語り合った。

お金への執着を人に見せないことが僕らの世代の美徳だった

【吉原】今回、ファイナンシャル ウェルビーイング(以下FWB)という、少し難しいお題について、なるべく柔らかくお二人と話がしたいと思っています。

【佐藤】ウェルビーイングね。よく生きていくためにはどうあるべきか、ということですよね。

【吉原】そうです。そこに「ファイナンシャル」がくっついたFWBというのは、簡単に言えば、お金について「安心であり、管理できている」状態を指します。すると大事なのは、不測の事態への備えと、将来に向けた準備です。ただ、近年は一般的な人生の「型」のようなものがなくなり、個人個人の価値観やライフスタイルに多様性が出てきていますよね。まずは自分のライフスタイルに沿って、ありたい姿、みたいなものを考えていくのがポイントになります。

【佐藤】昭和の時代を振り返ると、われわれはお金に対して勉強する必要がなかった。それが今は人生のスパンが長くなってきたことも含めて、ちょっと形態が変わってきたんですね。

佐藤 浩市(61)
さとう・こういち/1980年に俳優としてデビュー。映画人であることにこだわり、映画を中心に活躍している。近年では音楽の分野でもライブ活動を行う。

【吉原】はい。いわゆる「人生100年」を、自分たちでなんとかしなくてはいけない。だからFWBを、世代ごとに「自分ごと」として考える必要があるんです。木村さんはお金については?

【木村】正直、逃げ続けてきたといいますか……。30歳を過ぎ、まわりに家庭を持つ人が増えてきて「そういえばお金ってどうしてる?」って話すようになって。お金はいつまでもあるものじゃないとすごく感じるようになって、今後の人生に対する“保険”というか、それを持っておきたいと思い始めてます。

【吉原】佐藤さんはどうですか? お金について。

【佐藤】僕らの時代は、お金に対する執着を人に見せないことが美徳だったんですよ。だから、普通にお金の話をすることに抵抗がある部分って、われわれの世代はありますね。

これまでは妻任せ。お金との距離感を縮めたい

【吉原】木村さんは、女優として一本筋が通っているイメージがありますが、プライベートも充実していますね。切り替えを意識しているのでしょうか。

【木村】実は24時間365日、「女優でいなければ」というプレッシャーが強いんです。趣味についても、今のうちにやれることはやっておきたいという考えです。でも、それで貯金を減らして将来の不安が募るとしたらどうしようか、と悩むことはありますよ。せめて自分の人生ぐらいは自分でちゃんと組み立てられなければ、と思います。私たちの世代は、この先いろんな分岐を迎える人が多いと思いますが、そんな方々のマネープランはどう考えたらいいですか。

木村 文乃(35)
きむら・ふみの/2005年に映画初主演でデビュー。演技派女優として活躍。スキューバダイビング、旅行、写真、料理など多彩な趣味を持つ。

【吉原】30代は忙しいですよね。仕事も乗ってくる時期だし、人によっては家庭ができ、そろそろ家も欲しいと考え始めます。一方、忙しさにかまけて、お金と向き合うことを避けてしまう人も多いんじゃないかと思います。なので、例えば貯金用の口座を別につくるとか、自動の積立投資とか、お金が「勝手に貯まる」仕組みをつくっておくといいですね。

【木村】お金について学ぶコツってありますか。

【吉原】学ぶというより、自然に耳に目に入ってくるような仕掛けをしておくといいと思います。例えばニュースアプリで「マネー」タグにチェックを入れたり、SNSでマネーに強い人をフォローしたり。

【木村】なるほど、いいですね。やってみます。

【吉原】佐藤さんはお金について、どういう考えを持っていますか。

【佐藤】僕にお金のことを聞くの?(笑)僕は「金融のプロ」としてCMに出ているんだけど、お客さんの役をやったほうがいいんじゃないかと思うくらい、無頓着というか、疎いタイプなんです。お金のことになるべく触らないで、ほぼ妻に丸投げしている人って、僕らの世代だと結構多いと思うんです。だから、どうやって、親近感という言い方は変だけど、距離感を詰めて、お金というものに向き合っていけるかが課題ですね。

【吉原】わかります。佐藤さんの世代の方々は、会社員だと定年を迎える頃ですね。これまでお金のことは家族に任せてきたという人でも、退職金が入ってきたりしますから、自分の人生をコントロールしなければいけなくなります。そういったタイミングで立ち止まって、家族で今後のマネープランを話しておくというのは、すごく重要なことだと思います。

吉原 彩(41)
よしはら・あや/三井住友信託銀行 個人企画部 チーム長

私の両親も、健康寿命を考えて早い段階から「終の棲家」をどうしていくかを話し始めています。例えば母親は料理が好きなんですが、先々の安全を考えてIH調理器に変えることにしました。できるだけ元気なうちから慣れておいてほしいなと思います。木村さんの親御さんは、お元気にされていますか?

【木村】はい、元気です。私自身は母親に苦労をかけたという思いがあるので、なるべく力になりたいと考えています。でもこの先、人生100年と考えればあと35年、親をみていくのかと思ったら、漠然とした不安はあります。

【吉原】よくわかります。そういう不安がたくさんあるということを、私たちにお話しいただけると、それに必要なお金に関することについては、いろんなご家庭を見てきているので、お手伝いできることがあると思います。

俳優にとっての音楽活動、ゴルフ、ダイビングの共通点

【木村】佐藤さんは、歌やゴルフをされていますが、それを今後も続けていくというイメージなんですか。

【佐藤】歌もゴルフも「刺激」ですよね。それと新しい友人がつくれます。彼らは自分が知らない世界のことを教えてくれるじゃないですか。それが面白くて。

【吉原】音楽活動は、ここ10年くらいですか?

【佐藤】俳優の原田芳雄さんが亡くなって、その後に追悼ライブで歌いだしたのが最初です。ただ、本当はやりたくないんです、緊張するから。楽しいからやっているというより、自分に緊張感を与えたいんですよ。放っておくと、自分のキャリアの中で緊張感がどんどんなくなっていくんです。慣れていっちゃうというか……。

【木村】その経験は、役のほうにも返ってきますか?

【佐藤】いい意味での緊張感を本業でもつくらなきゃいけない、という意識になりますね。

【吉原】夢中で仕事をしてきた方が、退職されてパタッとやることがなくなるというケースがあります。その時に、打ち込める趣味があるとか、外とつながれるような場所をちゃんと持っているというのが、元気に長く過ごせる秘訣ひけつかなと思います。木村さんはダイビングがご趣味ですが、海は何が魅力ですか?

【木村】佐藤さんと一緒なんですが、新しい人付き合いが始まります。海で会う人たちって、テレビを見ない人が多くて、私がポッと入っても「一人でよく来たね」みたいな感じで、特別視しないで扱ってくれます。ダイビングって長くできる趣味なので、年配の方とも話すことができる。10代からこのお仕事をしてきて、初めてそういう環境に恵まれました。ダイビングは、外の世界とつながる私のツールですね。

【佐藤】それは絶対キープしたいよね。

【木村】したいです。やっぱり、話すことで自分が知らない考え方とか感情とかを知ることができて、それが自分の栄養になっていきますから。自分の将来設計というか、今あるお金をどうするか、と考え出したのもそこがきっかけなんです。

【吉原】そういう新しい世界とつながる感覚で、お金のこともお気軽に相談してくださるとうれしいです。今回、新しいCMではそれぞれのお客さまの人生に対して向き合っていく姿勢を描きました。お二人もCMの中では金融のプロということで、これからもどうぞよろしくお願いします。

※年齢は2022年11月現在です。

〈座談の完全版は、三井住友信託銀行HPにて公開中です〉

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