コロナ禍での新たなビジネス課題への挑戦
先日、日本マイクロソフト株式会社が主催するオンラインイベント「Microsoft Envision Japan」にソニー株式会社 パーソナルエンタテインメント事業部の伊藤博史氏が登壇し、ハイブリッドワークを強力にサポートする新製品が生まれた背景や、製品に込めた思いを語った。
「コロナ禍を通して、人々のワークスタイルに、リモートワークやハイブリッドワークという新たな考え方が広まりました。一方で、個人によって働く環境・状況は多種多様で、柔軟性を持った働く環境の提供が企業課題の一つとして挙げられます。従業員個々人の環境に応じるためのブレークスルーを作り出すことができないかと新たな挑戦をしました」(伊藤氏)
“ながら聴き”に理想的な、穴あきヘッドホン
オンライン会議などでの利便性を向上する機能を付加した「LinkBuds(リンクバッズ) UC for Microsoft Teams」を昨年11月に新発売したソニー。
本体に穴があいているLinkBudsは、新開発のリング型ドライバーユニットを搭載した耳をふさがない新構造の完全ワイヤレス型ヘッドホン。周囲の音を取り込みながら、ヘッドホンの音を明瞭に聴くことができるのが特長だ。そのため、家の中でウェビナーに参加しているときにも家族の声を、職場で遠隔チームとオンラインミーティングをしているときにもリアルで会議室にいる他のメンバーの声を聞き取ることができる。周囲の音との“ながら聴き”を快適に行うことができるため、ビジネスシーンでも多く活用されている。
LinkBuds UCは、こうしたビジネス需要の高まりを受け、ビジネスでの使いやすさをさらに進化させた新製品だ。
Microsoft Teamsのオンライン会議がより便利に
「LinkBudsは発売当時から、ハイブリッドワークとの相性がよいというフィードバックをいただいておりました。しかし、多様化するワークスタイルや職場環境によりシームレスに対応するためには、どんな場面においてもストレスなく使えることが重要です。そこで、マイクロソフトさんとのコラボレーションによって、Microsoft Teamsがより便利に使えるLinkBuds UCを開発しました。
例えば、小さなお子様がいる中でのテレワークやオンライン会議をする際に、従来のヘッドホンをしてしまうと、お子様の様子がわからなくなってしまう不安がありましたが、LinkBudsであれば、お子様の声も常に聞くことができるため、安心して仕事に集中することができるといった声をワーキングマザーの方から早速頂戴しています」(伊藤氏)
LinkBuds UCには、LinkBudsにはないUSBトランシーバーが同梱されている。このトランシーバーをPCに取り付けることで、PCとヘッドホンを簡単に接続することができる。また、Bluetooth接続した別の機器と2台同時にヘッドホン接続することも可能としている。
「例えば、自分のスマートフォンと会社のPCを設定しておけば、自分のスマートフォンで作業に集中するための音楽を聴きながら、PCにかかってきたMicrosoft Teamsの通話着信を逃すことなくヘッドホンをタップするだけで即座に会議通話を開始できるなど、ヘッドホンを外したり、PCに再接続したりするわずらわしさなく、より快適に仕事をすることができます」
LinkBuds UCはマイク機能にもこだわっている。機械学習のテクノロジーを活用し、周囲のノイズを抑え、本人の声をクリアに抽出できる機能や、本体をタップ(※)することで、Microsoft Teamsの通話中にマイクを簡単にミュート操作できる機能がある。例えば、自宅でのリモート会議中に一時的にPCから離れて宅配便の受け取りに対応するときや、相手に送られる自分の音声から、ビジネスミーティングで気になってしまう不要な雑音を取り除く工夫がされている。
※耳の辺りをタップすることで操作が可能な「ワイドエリアタップ」機能にも対応
「私も外出先からMicrosoft Teamsでミーティングに参加することが非常に多いのですが、外出先でも私の発言する声だけを拾い、周りの周辺ノイズは低減されます。参加している私にも、画面の向こうで聞いている相手にもストレスが少なく、非常に重宝しています」と、伊藤氏は使用感を語る。
多様な生活を支えてくれるエースのような存在
日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフト テクノロジーセンター センター長の吉田雄哉氏は、「ヘッドホンに違和感があると集中力が途切れがちです。LinkBuds UCは装着しているのを忘れてしまうほど自然な着け心地なので、精神的にも身体的にも負担が少ないのでは」と装着性の高さも評価する。また、音楽好きという吉田氏は、「LinkBuds UCは音質がクリアで、低音から高音まで素直できれいな音がする」とその音質のよさにも着目している。
もともとLinkBudsは、「耳の穴をふさがないシームレスなヘッドホンを作りたい」という、商品企画チームの発想から生まれた背景がある。
「製品名の『リンク』は、『つながり』を意味しています。“ヘッドホン外の周囲の音と、ヘッドホン内部から聞こえる音をつなぐ”というコンセプトを『リンク』というワードで表しました」(伊藤氏)
LinkBudsが目指す常時接続のデバイスは、ハイブリッドワークの効率性をあげるだけでなく、日常生活の手間やストレス軽減にも大きく貢献すると伊藤氏は言う。
「インターネットやオンライン会議での使用時と、それ以外の時間でヘッドホンを着けたり外したりする生活は、私たちが提案するシームレスではありません。装着していることを忘れるくらい、着け心地のよいヘッドホンで、仕事も私生活ももっと便利に、そして快適に楽しめるようになればと思っています。今後ますます多様化が進むと想定されるリモートワーク、ハイブリッドワークによる職場環境の変化に対し、LinkBuds UCがお役に立てるシーンも増えていくのではないかと考えています」
さまざまな分野の企業との連携を広めていく
ユーザー課題の解決や多様な体験の創出に向け、ソニーではさまざまなパートナーとの連携も行っている。
例えば、オーディオストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」との連携では、ヘッドホン本体をタップするだけで、Spotifyの再生を始めることができる「Spotify Tap」を実現している。これにより、「音楽接続時間の長い若者層に、さらに魅力的な音楽体験をお届けできるようになった」と、伊藤氏はその強みを語る。
また、世界的にヒットしている「Pokémon GO」で知られるNiantic(ナイアンティック)の、スマートフォン向け位置情報ゲーム「Ingress」と、音声AR(拡張現実)部分での協業も実現している。ヘッドトラッキング機能を活用し、ゲームの音の位置を現実世界にリンクし、目的のポイントが音声でもわかるようになった。
「ヘッドホンは、音楽の楽しさの提供だけでなく、人により近づくデバイスになって人々の生活のクオリティを向上させる力があります。技術革新やパートナー企業との共創で、もっと広がる領域が多く存在します。当社だけでは実現できない新しい音の体験を、これからもパートナーとの協業で創出していきたいと考えています」
※2024年6月まで視聴可能
※2023年12月まで視聴可能