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「観て」「感じて」「考える」それが「行動」の基盤に
【新納】大日方さんは現役時代、国際的な大会でも素晴らしい成績を挙げられました。
【大日方】リレハンメルからバンクーバーまで冬季パラリンピック5大会に出場させていただきました。中でも印象に残っているのはやはり1998年の長野大会です。パラリンピック自体、まだあまり知られていない時代でしたが、おかげさまで金メダルを獲得でき、それがパラスポーツやバリアフリーへの理解にもつながった。私自身が、スポーツの“伝える力”を強く実感した機会でした。
【新納】まさに共生社会の真ん中にずっといらした。そうした経験をお持ちの大日方さんに社外取締役への就任をお願いすることで、当社が目指す「共生社会の実現」をさらに一歩先へ進化させることができると考えています。
【大日方】当初、「私に務まるかな」とも思いましたが、日本パラスポーツ協会への支援など、あいおいニッセイ同和損保の企業姿勢は理解していましたのでお引き受けしました。
【新納】当社は14年にパラスポーツ支援を本格化し、15年からはパラアスリートの雇用も開始するなど、着実に取り組みを進めています。
【大日方】先の東京パラリンピックにも所属選手7人が出場し、今年6月のパラ競泳世界選手権で金メダルを獲得した選手もいますね。
【新納】はい、大変うれしく思っています。支援の中では全社的な応援活動にも注力してきました。「『観て』『感じて』『考える』」をスローガンとして所属アスリートを応援する、体感に基づいて多様性の意義を「自分ごと」として捉えてもらうことが大事との考えからです。
【大日方】素晴らしいと思います。観て、感じて、考えることは、「行動」することの基盤になります。そして、社会を変えていくには、一人一人の行動が欠かせません。
【新納】その通りですね。実際当社では社員が各地域の皆さんと一体となってパラスポーツ大会を応援したり、大会のボランティアに参加するなどの活動が定着してきています。
地域に寄り添う多様な人財の活躍が持続的な成長の原動力に
【大日方】パラアスリートを含め、障がいのある人の雇用にも力を入れていますね。
【新納】現在、当社の所属アスリートは22人。うちパラアスリートは13名で、引退後も見据え、競技と仕事のデュアルキャリアに励んでいます。また、全国の拠点に300人を超える障がいのある社員が在籍しています。
【大日方】多様な“人財”が共に働くことは、共生社会実現の基本です。場を共有することで、「○○さんにはこういう特徴があり、それはその人らしさを構成する大切な個性の一つである」と、障がいではなく、個人に焦点が当たるようになる。さらに一人一人「違う」ことが当然で、その「違い」が力になることが分かってきます。
【新納】不確実性が増す時代、持続的にお客さま、地域へサービスを提供していくためには、我々も変化しながら意思決定し、柔軟に対応する必要があります。そのとき武器になるのがまさに「多様性」です。
【大日方】保険の利用者も性別や年齢など一人一人異なります。また、地域によっても状況、課題はそれぞれですね。
【新納】一口に「社会課題」といっても内容や事情は地域によってさまざま。ここも大事な視点です。そこで当社は全国の400を超える自治体と連携協定を締結。全国の部支店に所属するアスリートが日常業務と両立させながら各地域で講演やスポーツ教室を行うなど、自治体と連携して、地域に根差した活動を行っています。多様な取り組みが評価され、「東京都スポーツ推進モデル企業」として「殿堂入り」も果たしました。
【大日方】アスリートが現役時代から業務や地域での活動に取り組むのはとても重要で、競技が生活の全てになってしまうと引退後が厳しくなる。私自身、競技と仕事を並行していたことがキャリアにプラスになっています。
【新納】アスリート社員には、デュアルキャリアで培った力を引退後も当社で存分に生かしてほしい。彼、彼女らの経験は、私たちが「特色ある個性豊かな会社」として持続的に成長するための原動力の一つです。
【大日方】「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉は社会に浸透しつつありますが、今は「多様性をどう力に変えるか」が問われています。その実現には、社員が主体的に連携して行動することがやはり重要です。
【新納】互いの違いを認め合い、生かしていくには、相手へのリスペクトが欠かせません。さらにフェアであること、オープンでいることも大切。新しい働き方が広がる中、大日方さんの力を得て、そうした環境づくりをいっそう強化していきたいと考えています。ぜひ、これからよろしくお願いします。
対談の様子はこちらの動画から
Corporate Profile
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
MS&ADインシュアランス グループの一員として、中核事業である損害保険事業を担う。経営の核として「CSV×DX」を掲げ、ドライブレコーダーなどから取得した走行データを安全運転や保険料割引に生かすテレマティクス自動車保険などを展開。類例のない商品・サービスで注目を集めている。