環境フォト・コンテストにおける日本生命保険の募集テーマは「たくましく生きる力」。このテーマに込められた同社の思いをまさに体現したような作品が、今回見事グランプリを受賞した。その喜びの声や同社の取り組みの現状について、コーポレートプロモーション部・岩本昌弘さんに話を聞いた。

当社が思い描いていたイメージにピタリと一致する作品

——環境フォト・コンテスト2022では、貴社の受賞作からグランプリが誕生しました。

【岩本】受賞作品を決める社内投票に参加した1000人超のうち圧倒的多数が今回グランプリに選出された「いのちのたび」を支持しました。大海へ向かって力強く歩みを進めるウミガメの赤ちゃんと、その姿を見つめる人間の赤ちゃん。この二つの小さな命の未来には大きな試練があるかもしれませんが、どうかたくましく生きていってほしい。彼らの健やかな成長を願い、思わずエールを送りたくなる作品だと思います。当社が2001年に制定した環境憲章の基本理念には「かけがえのない地球環境を次世代に継承する」とあり、「いのちのたび」は、このような当社の環境に対する理念や思い描いていたイメージともピタリと一致しました。当社の総意が皆さまにも認められたということは大変喜ばしく、また名誉に感じています。

2022年環境大臣賞/環境フォト大賞「いのちのたび」有馬 猛さん

——そのほかの受賞作品はどのようにご覧になりましたか。

【岩本】繰り上がりで優秀賞となった「棚田の苦労」は、黄金色に実った大きな稲穂の束を背負いながら、急な棚田の斜面を力強く上る女性の姿が収められています。当社は、環境への取り組みを進める上で「地域との共生」を重視しており、地域の財産や伝統を守ろうとするこの作品もまた当社の理念を巧みに表している作品だと思いました。佳作の「まだまだヤレル!」は、想像もつかない年月を生き抜いてきた大樹の圧倒的な存在感から、大きなエネルギーをもらえる作品です。また、自然の力と対峙たいじしようとする人間のたくましさを写し出した「雪にもまけず」は、陰で人々の日々の暮らしを支える様を表しており、生命保険のあるべき姿に通じるものがあると感じました。このほか惜しくも受賞を逃した作品を含め、応募作品は思わず声が出るほど素晴らしい作品ばかり。作品を通じて当社のテーマや環境への理念を深くご理解いただいていることを実感し、感激しております。

2022年優秀賞「棚田の苦労」柳瀬真さん
2022年佳作1「まだまだヤレル!」斎藤敏範さん
2022年佳作2「雪にもまけず」土橋孝司さん

「気候変動」「プラスチック」「生物多様性」の3分野に注力

——サステナビリティ関連の取り組みの近況について教えてください。

【岩本】当社では、大きく分けて「気候変動」「プラスチック」「生物多様性」という三つの分野を中心に取り組んでいます。

日本生命保険相互会社 コーポレートプロモーション部 環境経営推進部長 岩本昌弘さん

気候変動分野においては、2050年の目標である自社および投融資先の「ネットゼロ」へ向けた取り組みを加速させているところです。具体的には、全国で約2000台所有する社有車を順次EV車やPHV車に切り替えるとともに、保有ビルのLED化を推進。また、ビルの建て替え時には、一次エネルギー消費量を50%以上削減した「ZEB Ready」認証の取得を原則とし、2019年度~21年度に86拠点を整備しました。そのうちの2拠点は、省エネ+創エネにより一次エネルギー消費量実質ゼロ以下を達成した「ZEB」認定を取得しています。さらに、全ての加入者の方に手交している「ご契約のしおり」の電子化を2019年より進めたことで従来比約80%の紙使用量を削減したほか、出張も抑制するなど、さまざまな形でCO2排出削減に努めています。

プラスチック分野においては、環境省の「プラスチック・スマート」キャンペーンに賛同し、21年度より「ニッセイPlastics Smart運動」を展開中です。クリアファイルをはじめとするプラスチック製品のリデュース、リユース、リサイクルを進めるとともに、紙製品化やエコ素材化などに着手。すでに紙製ファイルなどは普及促進のフェーズにあり、新たに購入、作成するプラスチック製ファイルは2023年度末にゼロを目指しています。

——生物多様性については「ニッセイの森」をはじめ、多様な取り組みを長年実践されています。

【岩本】活動の始まりは、1979年の日本生命財団における環境問題研究助成にまでさかのぼります。その後92年にスタートした「ニッセイの森」づくりでは、これまでに138万本の苗木を植樹。環境や生態系に配慮した公共性の高いといわれる「ニッセイの森」が、今や全国204カ所に広がっています。

また、全国の支部における地域活動への協力も当社の特徴の一つです。例えば北海道道東支社ではラムサール条約登録湿地の「春国岱」で外来植物の除去、山形支社では「鮭川の森」の保全活動など、各地域で生物多様性・環境保全の活動が盛んです。当社では、約7万人に及ぶ全役員・職員の一人一人が、1年に一度以上は何らかのボランティア活動に従事することを掲げており、近年は100%の達成を継続しています。

ボランティア活動の様子

志を同じくする仲間とともに持続可能な社会の実現を

——最後に、メッセージをお願いします。

【岩本】当社は本年度より、コーポレートプロモーション部を新設し、サステナブルな取り組みを積極的に発信していく方針にしました。より良い取り組みを発信することで同士が集まれば、地球や社会に対してよりポジティブな影響を与えることができる。日本生命は、これまでもこれからも真剣にこの問題と向き合い、その解決のために必要な取り組みを強化してまいります。