企業文化=日々の行動指針を“戦略的に”つくる
「よく企業文化と言いますよね。日本企業と海外の企業の大きな差が、この企業文化を戦略的につくっているかどうかです。日本企業の場合、特に意識せずに勝手に発生したものが企業文化となっていますけれども、グローバル企業や、あとはベンチャー企業なんかもそれを戦略的につくっている。これはとても大きな差です」
これからの時代、経営者や管理職に必要な意識改革は? との問いに開口一番そう答えるのは、早稲田大学大学院経営管理研究の入山章栄教授。世界の経営理論を研究し、網羅的・体系的にまとめ上げる入山教授が今、日本の会社に提起するのが企業文化の重要性だ。
「パーパスやビジョンといった、自分たちがどういう目的に向かうかという話もとても重要。私もパーパス経営には大賛成です。私はよく「動詞」と言うのですが、パーパスやビジョンというのはこういう社会をつくりたい、こんな世界にしたいという動詞で表せるもの。これがないと社員はみんな腹落ちしません。同じように大切なのがバリュー、価値観です。こちらは楽しい、面白いなど、どちらかというと「形容詞」で置き換えられるものです。先ほどの企業文化というのは実は行動なんですよ。日々の行動なのでバリューに近いもの。日本企業はパーパスも弱いけれど、バリューの方、企業文化を見直すことも必要です」
例えば、誰かに会ったら必ず笑顔であいさつをする、イノベーションを起こすために失敗しても絶対に怒らないなど、日々の行動のルールを一つずつ決めていくと、それが積み重なって新しい企業文化が育まれていく。その際に重要なのが、ルールの数を増やしすぎないこと。だいたい8個程度、多くても10個までが望ましいという。
「ここで重要なのは、きちんと習慣化させることです。あまり増やしてしまうと習慣化されないので企業文化になっていかない。海外の経営学の研究でも、行動指針は少ない方がいいというものが多いんです。そして決めたら社長やリーダーが絶対にやるということ。うちの会社は失敗を恐れずにチャレンジしていこうと決めたら、たとえ社員が失敗してもまず社長がそれを認めてあげる。そうすると下の人間も続くので。世界的な企業の多くは、この行動指針にのっとった行動ができているかどうかを評価基準の一つにするほど重要視しています」
多忙な経営者は質の高い習慣を求めている
習慣化の重要性や難しさは、企業や組織だけでなく個人にも通ずる部分がある。英語や資格などスキルアップのための勉強、あるいはヘルスケアやトレーニングなど、一度やり始めたものの長続きしなかったという苦い経験を持つ人も少なくないだろう。そんな場合に効果的なのが「ひも付けること」だという。
「例えば、歯磨きをする時には必ず英語のリスニングをする、というように。人間って、今の生活に新しい習慣を加えるのが本当に大変なんですよ。でも、何かとひも付けてあげると続きやすい。トレーニングなんかまさにそうですよね。今回お伝えしたいファストウォークも、例えば通勤する時に必ず行うというようにひも付けてあげると習慣化されやすいと思いますよ」
今回、入山教授には、カシオ計算機とアシックスの共創事業によってリリースされたスマートフォン向けウォーキングアプリ「Walkmetrix(ウォークメトリックス)」を使っていただいた。通常の歩行よりも速い時速5~7km程度のスピードと歩幅を意識した質の高いウォーキングを、ファストウォークと称して提案している。
「面白いですね。ウォーキングの質というのがとてもよく分かった。何でもそうですけれど、だらだらやってもほとんど意味がない。やっぱりいかに質を高めるか、いい意味で緊張感を持ってやるかどうかで効果はまったく違うので。このアプリがそのためのサポートになるとすごくいいと思います。通勤時のほかには、出張が多い人にもいい気がしますね。出張に行ったら朝早く起きて行ったことのないところをファストウォークで歩いてみる。そういう習慣になればいいですよね」
従来、ウォーキングの目標設定というと「1日1万歩」だとか「一駅分」などと量を目安にすることが多かったが、このWalkmetrixは「量より質」を謳っている点でそれらと一線を画す。速度や歩幅を重視しているのはそのため。心拍数を上げ、短時間で運動効率を高めることを目的としている。
「いろいろな考え方があると思いますが、こういうものに興味があるのは経営者や起業家だと思うんですよ。ハーバード大学のマイケル・ポーターも論文を書いていますけれど、経営者は時間の使い方にものすごく気を使っている。それはきちんと休む時間も含めてで、だから最近は睡眠も質が大事という話が多いじゃないですか。意識が高い層の人たちは質を高めるということにとても意欲的で、たぶんウォーキングもそれと同じだと思いますよ」
このWalkmetrixのもう一つの特長は、自分に合ったパーソナルなメニューが作成できること、そして自身の歩行データに基づいて改善・向上のための提案をしてくれる点にある。習慣化の大切さを説く入山教授もこの点に着目する。
「習慣にも良し悪しがあって、経営者たちが求めているのは質が高い習慣。それは何かというと、少しずつ向上できる習慣なんです。人は基本的にモチベーションの生き物。少し頑張ればできるくらいの目標設定が重要で、それができたら自己効力感が上がる。自分はできるという自己効力感、すごく大事です。歩く習慣を常に進化させられる機能、ウォーキングをさらに改善できるような仕組みが備わっているので、経営者のような忙しい人たちが本当に求めているもののように思いますね」
短時間でいかに成果を上げるか。それを突き詰めていけば質に至るというのは、ビジネスにもセルフケアにも通ずる普遍的な真理だろう。ウォーキングの分野でその真理に忠実に向き合ったのがこのWalkmetrixである。すべての機能が無料で使用できるアプリであるため、経済的な負担もなく、これからヘルスケアに取り組む人にもまさにうってつけ。多忙な経営者のみならず、オン・オフともに充実した時間を求めるビジネスパーソンにもふさわしいアプリと言えそうだ。
旅行・鉄道系YouTuberとして全国を駆け回るスーツさんが実感。
歩行の量より質に着目したファストウォークのメリットとは?
(以下、本人談)2016年から旅行・鉄道系のYouTuberとして活動しています。その撮影時や移動時に、以前は無意識で歩いていましたが、Walkmetrixのアプリに出会ってから「散歩」と「ウォーキング」の違いを知り、普段からファストウォークを実践することが増えました。
健康のために散歩を始められた方も多いかと思いますが、Walkmetrixは散歩とファストウォークの違いを強烈に感じさせてくれます。私が初めてアプリを使った時、約1.8kmをファストウォークで歩いたのですが、すごい速さで目的地に到着して驚きました。さらに、翌日には太ももが筋肉痛に。無意識だった歩行が「質」を意識するだけで、これほど効果が出るものに変わるのだと実感しました。
ただ単純に歩いただけの日とファストウォークを行った日とでは、後者の方が明らかに息が上がったり、足の筋肉を使っている感覚があります。運動効果を高めるためには、短い時間でも歩幅や歩行速度を意識して歩くことが大切なのだと実感しますね。普段の歩行が健康維持に役立つことを実感できたので、これからもアプリを常用してファストウォークを継続していきたいと思います。
自分はまだ20代の若輩者ですが、どの年代であっても健康に気を使うことは重要ではないかと思います。営業職などで普段から歩く機会が多い方は、Walkmetrixを使うことにより日々の移動で健康的になったり、ダイエット効果が期待できるのではないでしょうか。それ以上に、在宅ワークなどで歩く機会が減った方にこそ、短時間で効果が高いファストウォークを試してみてほしいです。
目標設定から改善提案まで、質の高いウォーキングをサポート
カシオ計算機とアシックスによる共同開発の「Walkmetrix」は、歩数や距離などの量だけでなく、歩行スピードや歩幅といった歩きの質も考慮した計測評価・プログラムを備えたスマートフォン向けアプリ。十分に息が上がるペースの「ファストウォーク」、通常のウォーキングとファストウォークを交互に行う「インターバルウォーク」、通常のウォーキングの「ノーマルウォーク」という3つのウォーキングタイプから、その日の心身の調子や目的に合わせて選択することができる。歩行スピードや歩幅など多彩なデータを記録するほか、同年代と比較してウォーキングをスコア化し、改善に向けた提案も行う。
また、Walkmetrix対応G-SHOCKと連携させると、スマホを見なくても計測の操作や心拍計測が行えるほか、リアルタイムに心拍数や心拍ゾーンが確認でき、計測終了後には持久力スコアも把握できる。また、運動量や消費カロリー、心拍数などのライフログを取り込むことも可能になる。
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