自分がやりたい仕事を追求し、その時に食べたいものを食べる。自分の気持ちに正直に選ぶのが、マーケター・長瀬次英の信条だ。それはもちろん、シャンパン選びも例外ではない。

常識よりも感性に基づいたシャンパンづくりに共感

「常識にとらわれずに自分たちがいいと思うものを追求する姿勢に共感します。デジタル社会になって多くのものから選べるようになった今は、個性が大切ですしこういうストーリーが面白いですね」

フランスのローラン・ペリエ社は、1812年の創業以来、家族経営を貫く数少ないシャンパンメゾンだ。主要なシャンパンメゾンの多くが大手グループの傘下に入る中で独立性を保ち続け、現在、家族経営のメゾンとしては世界トップのシェアを誇る。そのシャンパンづくりの特徴が如実に表れているのが「ローラン・ペリエ グラン シエクル」である。プレステージシャンパンは単一ヴィンテージでつくるものと誰もが考えていた20世紀半ばに、その常識を疑い、バランスの良さ、力強さ、エレガントさに秀でた三つのヴィンテージを調和。「パーフェクトなヴィンテージの創造」を掲げて誕生したのがこのグラン シエクルである。こうした特徴に対する長瀬さんの感想が冒頭の発言だ。

長瀬次英 Tsuguhide Nagase
マーケター、実業家、経営コンサルタント。インスタグラム・ジャパン、日本ロレアル、LDH JAPANなど名だたる企業での要職を経て、2019年に自身の経営コンサルティング会社を設立。同時にコスメブランドの顧問やアパレルブランドのCEO、ブランディングカンパニーのCSO(最高戦略責任者)、ウェルネス企業の共同経営者などを務め、それらを同時並行させるパラレルワーキングを実践している。1976年生まれ。

「コロナ禍になって自分のことを考える時間が増えました。それで分かったのが、やっぱり自分が好きなことだけをやっていたいということ。そのために自分の会社を立ち上げました。こういう今の気持ちもグラン シエクルに共感する一因かもしれません。今、自分がつくるとしたらこんなシャンパンかもしれませんね」

自分と向き合う時間にはこんなシャンパンがふさわしい

若い頃からシャンパンを飲む機会があり、現在も日常的に楽しむという長瀬さん。味わいの違いも敏感に感じ取る。

「口当たりが柔らかく少しとろっとした感じ。香りは優しくて甘め、ちょっとスモーキーさも感じます。三つのヴィンテージをブレンドしているからなのかな。飲むたびに違うおいしさが出てくるようで、飽きがこないですね」

近年は年齢を重ねたこと、そしてコロナ禍も影響してシャンパンとの付き合い方が変わったという。

「昔はお祝いの際にみんなで飲んでいましたが、最近は一人で飲むことが増えました。今日や明日のこと、心身の状態など、シャンパンを飲みながら一晩かけて自分と向き合うようにしています。グラン シエクルのストーリーや味わいは、その時間の充足感をより高めてくれそう。決して他人にひけらかすようなものではなく、自分にとって大切かどうか、自分が満足かどうか。今の時代のエレガンスってこういうことだと思いますね」

日々の食事も「食べたいものだけを食べる」という徹底ぶり。生活、仕事、そして人生を自ら“選ぶ”男の琴線にグラン シエクルは確かに触れたようだ。

突出した個性の調和が“偉大なる”味わいを生む

シャンパンづくりでは複数のブドウ品種、または複数の畑で生産されたブドウをブレンドすることは珍しくない。この「ローラン・ペリエ グラン シエクル」はさらに突出した複数のヴィンテージを融合するマルチヴィンテージという製法を採る数少ないシャンパンである。バランスの良さ、力強さ、エレガントさという異なる特徴を持つ三つのヴィンテージを匠の技でブレンドする。それにより食前酒としてだけでなく、食中、食後まで楽しめる味わいを表現している。また、シャルル・ド・ゴール元フランス大統領により「グラン シエクル(偉大なる世紀)」と命名されたという逸話もある。白鳥をイメージしたボトルも特徴的で、その首の部分に記された「No.24」は発売以来24回目のヴィンテージの組み合わせであることを意味する。

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(構成・文/デュウ 撮影/小林久井)