年齢や性別、国籍、キャリアを問わず多種多様な個性を持った人材が集まるアクセンチュア。これまでの環境から一歩踏み出す勇気は、どこから生まれるのか。2回目は、30代、40代の節目でコンサルタントへ転身した女性2人に話を聞いた。
(写真右)Chisa.N
マネジメントコンサルタント
シニア・マネジャー
日系SIerでシステム開発や人事などを担当し、2015年に素材・エネルギー業界向けのシステムコンサルタントとして入社。16年末にマネジャーへ昇進。17年にマネジメントコンサルタントに職種変更し、18年末にシニア・マネジャーへ昇進。

(写真左)Yuko.N
テクノロジーコンサルタント
シニア・マネジャー
日系SIerに16年勤務し、システム開発に従事。2017年に40歳で素材・エネルギー業界向けのテクノロジーコンサルタントとして入社。18年末にシニア・マネジャーへ昇進。

経験を重ねるほどに、新しい刺激が欲しくなった

――30代、40代に入ったタイミングで、なぜコンサルタントを目指そうと思ったのでしょうか?

【Chisa】長く同じ会社で働くうちに、今以上に成長しているビジョンが見えにくくなっていました。外資系コンサルティングファームに惹かれたのも、意欲次第で仕事を広げられる社風に可能性を感じたからですね。

【Yuko】新しい環境に身を置きたいと考えたのは、私もまさに同じ。前職でシステム開発の現場を15年以上経験し、経験ゆえに刺激を受けにくくなっていました。部下100人規模のチームを任せられても、ルーティンのように業務を回していたり……仕事に楽しみを見いだせていない自分がいました。50歳を前に定年が現実味を増していくなかで、この先の10年同じことを繰り返していくよりも、異なる職種に挑戦して、成長していきたい――。そう考えました。

【Chisa】引き留められませんでしたか? 私が転職した当時は、日系SIerからコンサルティングファームへの転職は前例がなく、かなり周囲から心配されました。私自身、コンサルタントは激務のイメージが強く、ブラック企業だったらどうしようと不安に思いましたし……(笑)。実際に入社してみると、仕事の質の面でも、時間の面でも、自分の裁量でコントロールできるようになり、ずっと働きやすくなりましたね。

【Yuko】私は自分の中で環境を変えることに迷いはなかったのですが、転職活動にあたって、一般的な“転職適齢期”を過ぎた40歳で評価を受けることへの不安は大きかったです。転職経験がなく、管理職でもない、40歳の一社員。この肩書きでどこまで通用するのかと悩み、転職をためらった時期もありました。けれどいくら考えたところで、自分のキャリアにどんな価値を見いだすかは、世間ではなく相手が決めること。その企業にとって欲しい人材であれば採用されるし、そうでなければ現実を受け止めるしかない。最後はそう思い切りました。

変わりたいという意思があれば、道は開ける

――現在、お二人はどんな仕事に携わっているのですか。

【Chisa】電力やガス、水道などのいわゆるユーティリティ業界のお客様を担当しています。電力・ガス業界は小売全面自由化が始まり、同時にデジタル化を推進していく大きな転換期に入っています。そこでマネジメントコンサルタントとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や業務改善などに取り組んでいます。生活に密着しているインフラだからこそ、消費者との接点が変わることによるポテンシャルは非常に大きい。例えば、各家庭のインフラの使用状況からライフスタイルを分析すれば、ユーザーに提案できるサービスはぐっと広がりますよね。また、お客様自身が生活に必要なインフラを提供しているという社会的使命を持って業務に向き合っていることが、私たちのやりがいにもつながっています。

【Yuko】私が携わっている業務は、Chisaさんとは表裏一体の関係ですね。経営戦略を実現するためのシステム戦略から開発、実行まで一貫して関わっています。デジタル化が急速に進む一方で、ユーティリティ業界にはレガシーシステムが大量に残っています。事業の基幹を支えるレガシーシステムを低コストで維持しつつ、いかに新たなデジタルの領域へつなぐか。この大きな経営課題に対して、今までのキャリアを生かしてテクノロジーコンサルタントとして携われることに充実感を覚えています。

【Chisa】Yukoさんはもともとユーティリティ業界のテクノロジーコンサルタントを希望していたんですよね。

【Yuko】実は面接ではシステム開発を担当する部門も打診されたのですが、それはお断りしたんです。前職ではできなかったことに挑戦したいからこそ、コンサルティングファームを目指したので。だからこそ入社してしばらくは「この人は何ができるのか」という周りからの重圧はありました。しかしそこで私を助けてくれたのは、これまで積み重ねてきたユーティリティ業界の経験。業界特有の課題意識を共有しやすく、早いうちにお客様と信頼関係を築けました。40代の転職の不安は「私の経験は外に出ても通用するのか」という疑問でもあります。その答えをお客様にもらえたことが、何よりも自信につながったと思います。

【Chisa】私の場合は入社後に道が見えてきました。アクセンチュアでは自分で希望して社内異動することが当然という社風で、そのための制度も整っています。マネジャーやシニア・マネジャーへの昇進に挑戦するかどうかも個々人の意思に委ねられています。私自身、上司からの薦めもあってマネジメントコンサルタントに職種変更しました。こんなに自由に異動できるなんて、以前では考えられなかったんじゃないかな。「こういうことがやりたい」と主張すれば周囲がバックアップしてくれる文化があるので、大胆なチャレンジもしやすいですね。

仕事を通じて、プラスの変化を起こしていく

――これから、どんな風に仕事をし、成長を遂げていきたいですか。

【Chisa】どんなプロジェクトに携わるにせよ、大事なのはチームの力。アクセンチュアはさまざまな強みを持つ個性が集う会社です。その一人一人が活躍できているかは、ひとえに管理職の手腕にかかっています。前職での人事経験を生かし、日々の仕事を楽しく、メンバーが夢を見られるチーム運営を実践していきたいですね。ユーティリティ領域は、社会的意義が大きい一方でまだまだ目立たない業界。そこでお客様企業のブランド価値を高めていく力になりたいと思っています。

【Yuko】かかわったすべての人に「いいプロジェクトだな」と思ってもらえる影響力を持ちたいと思っています。自分のスキルアップに留まらず、周囲にプラスの変化を起こしていくことが、これからの私にとっての“成長”。その意味でやるべきこと、やりたいことは山積みです。こうして世界が開けたのも、外の評価を知ったから。転職への不安を感じながらためらっている人がいれば、どうか一歩踏み出してほしい。懸命に働き、積み重ねてきた経験には、必ず価値があります。それを一緒に見つけていきましょう。

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Edit=Embody Photograph=金城 匡宗