平屋から6階建てまで対応する多彩な商品群
「現在の建築業界では、好景気に支えられた高水準の建築需要と労働環境の変化により、人手不足や資材調達コストの上昇が深刻化しています。こうした環境下で、低コスト・短工期・高品質が実現できるシステム建築への期待がますます高まってきており、認知の広がりに応じて、採用実績も着実に伸びてきています」
住金システム建築の生井敏夫社長はこのように話す。
同社の強みの一つは商品の多彩さだ。平屋専用規格型の「ティオ」、自由設計型の「トレオ」、6階建てまで対応できる中低層型の「ラフィット」をラインアップし、工場や倉庫はもちろん、店舗、住居、事務所、学校、福祉施設などをカバーする。
「規模は500平方メートル程度のものから2万平方メートルを超える大型サイズまで、スタイルもシンプルなタイプを中心にデザイン性の高いものまでさまざま。2階建て倉庫など多層階建築にも柔軟にお応えしています」
商品バリエーションが充実しているため顧客の選択の幅は広がり、敷地も有効に活用できる。また、例えば平屋の工場と3階建ての事務所などを一緒に任せられるのも効率的である。
さらに住金システム建築は、建物を支える「基礎」についてもシステム化し、全商品で採用している。
「基礎のシステム化により型枠工、鉄筋工といった専門職の手配が不要になり、短工期・低価格というシステム建築のメリットをいっそう発揮することができます。また、現場での掘削土量も少なくなり、環境負荷が低く抑えられる効果もあります」
一方、建物の品質面で気になる耐震性については、高力ボルトによる無溶接工法を多用することなどによって確保され、阪神大震災や東日本大震災での構造被害ゼロという実績を残している。
全商品で建物に適した基礎システムを提供
基礎システムは住金システム建築の特徴。これも、工期とコストの圧縮に貢献する。さまざまなタイプの基礎を用意し、建物の種類、地盤条件などに応じて選択できるようにしている。
全国の建築業者等と連携し地域密着のサービスを提供
住金システム建築は全国に15の営業拠点を持ち、北海道から九州まで、地域に密着した事業を展開している。自らは元請けとならずに、各地に広がる約1500のゼネコン、設計事務所などからなる「住金システム建築会」の会員会社とタッグを組み、フェース・トゥ・フェースのサービスを提供しているのだ。
「各地域の主な建築業者さんが会員会社になっていますので、建築主様はこれまでお付き合いがある会社に当社のシステム建築をご依頼いただけます。もちろん、ご希望であれば要望に合った地元の会員会社をご紹介することも可能です。当社は元請けを行わないので地場の建築業者さんなどと競合関係にならず、案件の初期段階からチームの一員として参加し、設計面などでよりニーズに即した提案を行うことができるのです」
新日鐵住金や日鉄住金物産との連携も、品質面、工期面のアドバンテージにつながっている。
「主要素材である鉄の価格が上昇し、調達も難しくなる中で、当社は新日鐵住金やそのグループ企業から高品質の材料を安定的に調達できています。グループ企業の新開発製品も当社の商品メニューに積極的に取り込んでいます」と生井社長は言う。
最初に声をかけられ最後に選ばれる会社に
活況が続く建築業界にあっても、住金システム建築は地に足のついた“堅実な成長”を大事にしている。
「企業である以上は規模の拡大が求められますが、建築はお客様からの信頼がとりわけ重要な分野でもあります。当社の成長は、どれだけ多くのお客様にファンになってもらえるかにかかっています。商品開発力、社員の総合力、協力会社との連携力をバランスよく強化し、そのかけ算で一つ一つの案件に丁寧に対応していけば、成長は後からついてくると考えています」
実際、この言葉のとおりの事例も多い。例えば、地方で物流業を営むある建築主からは、2012年に最初に施工したスパン50メートルの倉庫において、建物、対応ともに高い評価を受け、以来毎年、累計で10棟もの仕事を任せられている。こうした関係を築くための同社の行動指針が「すべてはお客様の安心感と満足感のために」だ。
「まず、安全性、高品質、コンプライアンスの実現によってお客様に安心感を持っていただく。そして低コスト・短工期というシステム建築の魅力を磨きながら商品開発力を高め、最適なソリューションを提案してご満足いただく。その積み重ねが“お客様に最も期待され信頼されるNo1ブランド”を目指す当社のビジョンの実現につながると思っています」
住金システム建築では、これまで多用な用途を持つ3000棟以上の建物を手がけてきた。
「これらの建物一つ一つで、生産、流通、保管といった社会に欠かせない経済活動が日々行われています。建築という事業を通じて間接的にでも社会に貢献できることが私たちの喜びです。同時に、当社の使命はお客様の“思い”を“形”にしていくこと。今後も高い技術と真摯な姿勢をもってお客様と向き合い、システム建築業界において“最初に声をかけられ、最後に選ばれる会社”となることを目指していきます」