高齢化が進み、社会保障制度への不安も高まる中、保険会社に求められる役割も変化している。その要望に応えるべく、「今までにない新しい生命保険会社」を目指し、取り組みを進めるのがメットライフ生命だ。1868年に米国で誕生し、世界約50カ国でサービスを提供する世界最大級の保険グループ・メットライフの一員として、日本で40年以上事業を行う同社の具体的な取り組みについて、執行役専務の山口浩一郎氏に聞いた。

顧客、社会の要請に応える先進的な医療保険も

山口浩一郎(やまぐち・こういちろう)
メットライフ生命保険株式会社
執行役 専務
チーフディストリビューション オフィサー
同志社大学経済学部卒業。米国コーネル大学経営大学院でMBA取得。日本生命、UBS投資銀行、プルデンシャルグループなどで、30年近くにわたり保険、金融業務に従事。2014年にメットライフ生命に入社、現職。

「変化の大きい社会の中、お客さまは何を不安に思い、どんな保障やサービスを求めているのか。その理解を深めるため、当社では回答者が1万人を超えるWEB調査や対面でのヒアリングなど、さまざまな調査を行っています」

メットライフ生命の山口浩一郎専務は、大規模かつ多面的な調査の狙いをそう語る。結果、希望する保障内容や保険会社の役割について、大きな変化があることが明らかになったという。

「かつては生命保険といえば死亡保障を考える方が大半でしたが、近年は医療や介護など、いわゆる“生存保障”(長生きに対する備え)に関心を持つお客さまが増えています。また日々の健康関連サポートをはじめ、日常生活の中でも安心が得られるサービスへの期待も高い。先の見えない時代にあって、自身の側に寄り添い、変化を乗り切る手助けをしてくれる信頼できるパートナーが求められていることがわかりました。これは当社にとって大きな発見でした」

それを受け、同社では「いい明日へ、ともに進んでゆく。」というタグラインを導入。新たなブランド戦略のもと、保障とサービスを連携させながら顧客の人生の「もっと」をかなえる、従来にない保険会社を目指すこととした。変革の柱は「革新的な商品」「健康」「デジタル技術」の三つだ。
「業界の枠を超え、広く、高く社会へアンテナを張り、お客さまのニーズをいち早くつかんで革新的な商品を開発する。そして関心の高い『健康関連サポート』を切り口にサービスを充実させ、日々の暮らしの中での健康と安心の実現をお手伝いします。サービス向上にあたっては、デジタル技術も積極的に活用していく考えです」

例えば商品開発では、消費者調査の結果をもとに、医療保険の内容を強化。高齢化社会でニーズが高まる認知症や介護の保障をさらに充実させた。

シンプルでわかりやすい基本保障と多彩で充実した特約が好評の「Flexi (フレキシィ)」シリーズ。リニューアルした「Flexi S」「Flexi Gold S」では高齢化でニーズが高まる介護や認知症へのさらなる保障強化を行った。

「医療保険の『フレキシィ S』『フレキシィ ゴールド S』において、認知症の診断が確定した時点で一時金を受け取れる仕組みを導入しました。また引受基準緩和型の『フレキシィ ゴールド S』では、引受基準緩和型の保険には従来あった、支払額の削減期間(加入後1年間)の撤廃や介護の一時金保障の特約も実現しています。いずれも前例のない試み(※)ではありましたが、お客さまのご要望も高かったことから、これまで培ってきた経験とデータをもとに検討を重ね、商品化を果たしました。ただ、これらの“業界初(※)”は目的ではなく、あくまで求められている保険を追求した結果。今後も保有するノウハウやリスク管理能力を生かし、先進的な商品・サービスの開発を続けていきたいと考えています」

使命感と誇りを持ってお客さまを支えていく

一方、メットライフ生命では保険を通じた保障に加え、24時間対応の健康電話相談、セカンドオピニオンの提供、病院紹介など、幅広いサービスもあわせて顧客に提供している。

「これらは特定の医療保険に付帯するものではなく、個人保険に加入したお客さま全員が対象。既存のお客さまにも範囲を広げているところです。また昨年末には製薬会社のMSD株式会社と共同で、がんに初めて向き合う方に向けた情報冊子『ファーストガイド』を発行し、全国のがん拠点病院に配布しました」

疾病の予防、早期発見から治療、治療後のケア、さらに給付まで、加入者の健康をトータルに支援する。それを通じて、「何かあったときの保険会社」から、日々実感できる価値と安心を提供するパートナーを目指しているのだ。

「東京ガーデンテラス紀尾井町」内の新オフィスには、社員が自由に利用できるカフェスペースを設置。部門の枠を超えたコミュニケーションを促進している。

さらに、同社のもう一つの強みとして挙げられるのが、営業社員、保険代理店、金融機関の窓口、テレビや新聞、インターネットなどによる通信販売といった多彩な販売チャネルだ。これらいずれのチャネルにおいても高い存在感を示しているのは、他社にない特徴だといえる。

「それによって、お客さまそれぞれにとって一番使いやすいチャネルを通じ、最適な商品やサービスを紹介することが可能になります。そうした強みを生かしながら、総合的なコンサルティング力にも磨きをかけ、商品提案から価値提案にシフトしていくことが私たちの目標です。同時に、デジタル技術を活用した手続きの簡易化や、法人パートナーとの関係強化を進めることにより、お客さまとのタッチポイントもより幅広く便利なものにしていきたいと考えています」

メットライフ生命はこれまでも、米国に次ぐ主力マーケットである日本市場での事業に注力してきた。今春には、協働と創造性の発揮を促すさまざまな工夫が凝らされた新オフィスも完成。人材の活性化にも熱心に取り組んでいる。その人材について山口氏は、「保険という仕事にかかわる以上は、使命感と誇りを持って臨むことが重要」と言う。

「保険が役立つのは、お客さまが困難や悲しみに直面されているときだとも言えます。その困難や悲しみをすべて解消することはできませんが、保障によって経済面の負担を小さくしたり、サービスを通じて病気に立ち向かうお手伝いをしていくことはできる。お客さまから『メットライフのおかげで治療を進めながら仕事を続けられた』などの声をいただくと、この仕事をしていて良かったと実感し、それが必要な保障を必要な方にしっかり提供したいという使命感にもつながります。こうした思いを大切に、お客さまの日常に寄り添い、人生の『もっと』をかなえるパートナーとなるべく、さらなる努力を続けていきます」

メットライフ生命保険株式会社
創立:1972年12月11日
本社所在地:東京都千代田区紀尾井町1-3
資本金(資本準備金を含む):2,226億円
従業員数:8,804名
資本金、従業員数は、2017年3月末現在。

※ 1.すべての保障において、1年間の支払削減期間を設けない引受基準緩和型医療保険商品は業界初となります。 2.医療保険商品/引受基準緩和型医療保険商品において、認知症について状態継続日数の要件がなく、診断確定のみで一時金を給付する特約は業界初となります。 3.引受基準緩和型医療保険商品において、介護について一時金を給付する特約は業界初となります。 
*一般社団法人生命保険協会加盟41社について(当社調べ:2017年5月末現在)

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