これまでに累計800億円を超える収益不動産の仲介を行っている水戸大家さん。顧客には、2棟目、3棟目の物件を購入するリピーターも多い。人気の秘密はどこにあるのか。
投資直後から黒字経営が可能
引退後の心配といえば、やはりお金と健康──。特にお金に関しては、経済情勢や金融市場の不透明感が増すなかで、世代を問わず不安感が広がっている。将来のための資産づくりは自助努力が基本。そうした考えが当たり前になってきている。
「その一つの手法として、不動産投資への関心はいっそう高まっています。実際、当社に相談に来られる方も、経営者、一般のビジネスパーソン、医師、公務員などさまざま。賃貸経営は土地を持っている人が行うもの、というイメージはありません」
そう話すのは、収益不動産の仲介事業を手がける水戸大家さんの代表、峯島忠昭氏だ。東京を中心に各地で不動産投資の無料相談を受けている峯島氏のもとには、初心者からすでに複数の物件を持つ投資家まで連日多くの人が訪問。これまでに面談した人数は8400人を超える。また同社では、全国の主要都市でセミナーも積極的に開催しており、こちらも盛況だ。
「自身で実践して体系化したノウハウや仲介業務のなかでつかんだ情報をお伝えしながらアドバイスを行う面談やセミナーの場は、私たちにとっても貴重な情報収集の場となっています。すでに物件を所有している方からは現場のリアルな動きが聞けますし、初心者の方からは率直な悩みを聞くことができる。そこで得た情報に付加価値をプラスして還元することが当社の役割だと考えています」
市場調査や物件選び、融資など、不動産投資の鍵は、まさに情報が握っている。その鮮度の高さが水戸大家さんの強みの一つになっているのだ。
そんな同社が主に紹介しているのは、アパートやマンションの“一棟”への投資だ。理由について、峯島氏は「投資直後からキャッシュフローを確保して、黒字経営が可能なこと」を挙げる。
「不動産投資というと単純に利回りに注目が集まりがちですが、重視すべきは利回りと借入金利の差である“イールドギャップ”です。これを見極め、毎月しっかりとお金が手元に残る環境をつくることが大事。キャッシュを確保できていれば、リスクに直面したときに冷静に対応することができます。修繕や空室が重なったり、金利が上がったり……。賃貸経営には、当然ながらリスクがありますが、相応の資金があれば慌てずに次の一手を考えられる。逆に余裕がない場合、何かあったら本業で稼いだお金を回したり、最悪のケースではせっかくの物件を手放すことにもなりかねません」
いまは実績をつくり信用力を高める時期
不動産投資の最前線で仕事をする峯島氏は、「現在、賃貸経営を考える人にとって非常に重要な時期」と言う。
「いま不動産価格は上昇傾向にありますが、いずれ調整局面が訪れます。重要なのは、そのときに価格の下がった優良物件を購入できるかどうか。景気が落ち込めば、金融機関も融資に慎重になります。そこでお金を借りられるのは、黒字の賃貸経営の実績があり、一定の資産を持っている人に限られる。だからこそ、いま実績をつくり、信用力を高めておくことが大事なのです」
融資という面では、すでに水戸大家さんはこれまでの事業を通じて金融機関とも広範なネットワークを築いている。投資を考える人は、条件に合った金融機関の紹介を受けることができ、場合によっては優遇金利が適用されることもあるという。
「各地の金融機関や不動産業者とのネットワークは私たちの貴重な財産。非公開の物件情報も、そうしたつながりのなかで得ることができます。膨大な不動産売買のなかから有望な物件を見つけられるかどうかは、確かな情報網を持っているかにかかっています」
水戸大家さんは近年、グループ会社を設立するなどして賃貸管理業務の強化にも力を注いでいる。ビジネスパーソンをはじめ、本業を持つ人たちに入居者募集や物件のメンテナンス、クレーム対応など含め、賃貸経営に関わるサービスをワンストップで提供するためだ。物件選びや資金計画に加え、物件の管理・運営も知識やノウハウを持っているか、いないかで大きな差が付く部分。それをプロに任せられるのは心強い。
将来への不安や悩みを抱える人たちと数多く接してきた峯島氏は、最後に次のように言う。
「先のことを考えて、いまの自分の人生を変えたいと考えている人は少なくないはずです。そうした方には、考えるだけではなく、ぜひ行動を起こしてほしいと思います。そのサポートをするのが私たちの仕事。ですから面談では、まず『これからどうなりたいですか』という目標をお聞きします。その上でプランを立て、初めて物件選びということになる。物件ありきでお話をすることはありません」
未来のことは確かに誰にも分からない。しかしそれは、先々の準備を後回しにしていい理由にはならない。自分自身が理想のセカンドライフを送るため、行動を起こすのに早すぎるということはないだろう。