「愛着のある住まいをリフォームして快適に住み続けたい」という想いに応える日本総合住生活。集合住宅の価値を維持、向上させる専門家が提供する独自のリフォームサービスの中身とは──。
上/和室と広縁をなくして眺望を楽しめる広々としたLDKに。右下/結露や寒さ対策のため、ダイニングキッチンの右手壁面は室内の湿気を取り込む素材を活用。左下/オープン棚や壁一面のクローゼットなど収納に工夫をし、使いやすくすっきりした住まいを実現。

日本総合住生活は1961年(昭和36年)に日本住宅公団(当時)の出資により設立、50年以上にわたって団地やマンションなどの集合住宅の維持管理、大規模修繕、給排水施設改修工事などに携わってきた。その管理戸数は約100万戸にも及び、多くのノウハウを蓄積。一棟丸ごとの改修だけでなく、戸別のリフォームも多く手がけている。

班目千香 (まだらめ・ちか)
設計計画部 設計課 副長

「築50年超の建物から最近のものまで、どんな集合住宅でもリフォームの対応が可能です」と同社の班目千香さんは言う。

集合住宅の管理をしていることから、管理規約に精通しており、また長期の修繕計画に参画した経験も豊富だ。だからこそ、規約の中で何が可能か全体の改修工事の予定を踏まえた上で、いつどんなリフォームをするのがいいか、お客様目線でアドバイスできる。

「例えばキッチンのリフォームのご希望がある場合、もし数年後にマンションや団地全体の給排水管の改修が予定されているようなら、その工事を見据えたリフォーム提案が可能です」

社内にさまざまな専門知識を持った有資格者が延べ4200名にも及ぶため、デザイン面に加えて、建物の構造、設備などを考慮したリフォームが可能なことも評価されている。また、価格がいくらになるのか分からず不安に思っていたお客様のために、住まいの床面積に応じて価格を設定した「定額制リフォーム」も販売しており評判だ。大幅に間取りを変えられることに加え、定期的なアフター点検も安心の一つだ。

日本総合住生活のもう一つの大きな特徴は、独自の技術開発研究所「スクエアJS」を持っていることだ。修繕、リフォームに必要な工法を開発したり、工具やユニットなどを製作している。

「集合住宅でリフォームを行う場合、他の住戸の方はお住まいになっている状況ですから、できる限り低騒音で工事ができるよう実験開発を重ねています」

例えば台所。古い住宅だと瞬間湯沸器が設置されているが、最新の給湯器を取り付けると新たな配管が必要なため、床を剥がすなど騒音工事が発生する。そこで、同研究所ではレンジフードと一体型の給湯器を開発。騒音を抑え、短期間での工事が可能になった。

「研究所の開発商品は、当社にしかないものがほとんど。お客様の住まいをリフォームする上で何が必要かを考える中で生まれた製品ばかりです」

現状に甘んじることなく常に創意工夫を重ねる

日本総合住生活では、2014年から日本女子大学と、2015年からは法政大学の学生も対象に、若い才能を掘り起こすべくUR賃貸住宅のリノベーションコンペティションも開催。最優秀作品は、施工してモデルルームとして公開している。

上・中/2015年の最優秀作品は「変化する垣根」。家の中の垣根を必要に応じて開閉できるルーバーに。採光や通気の点で実用性が高いと評価された。下/日本女子大学と法政大学の学生による発表の様子。

「学生たちの柔軟で自由な発想には、とても驚かされます。そのアイデアをいかに実際の住まいの中で実現させるかが私たちの腕の見せどころ」と班目さんは言う(2015年の最優秀作品は写真を参照)。

1961年からUR賃貸住宅を中心に住宅の管理と改修に特化してきた日本総合住生活は、集合住宅の価値を高めていくプロフェッショナルだ。それでもなお、「このコンペティションでは新しい風を感じることができ、刺激になります」と話す技術者たち。これは、同社がいかに現状に満足せず、常に前を向いて歩み続けているかという証しにほかならない。

「お客様に寄り添い、お客様にとってプラスになる提案をしていきたいのです」と班目さん。

豊富な実績を持ちながら慢心しない高い志と、顧客目線を持ち続ける真摯な姿勢が、多くの信頼を得ている理由に違いない。

 

ストック型社会における住まいの機能回復と価値の向上を大規模修繕工事などで支える

染矢知宏(そめや・ともひろ)
営業企画部 マンション営業推進課 副長


近年、団地の価値が見直されている。周辺環境や立地のよさなどが評価のポイントだろう。そのまま住み続けたい、あるいは新しく住みたいという人にとって、問題はその老朽化だ。

日本総合住生活は集合住宅の建物を適正に維持するために、日々の管理だけでなく、マンション全体の修繕工事も実施している。マンションごとに立案された長期修繕計画に則った適切な調査を行い、外壁改修工事や屋根の表面が劣化し雨漏りが発生するのを防止する屋根防水工事、居住者に「安全で良質な水」を安定的に供給するための給水設備改修工事などを実施している。

「私たちは、“住宅の機能を維持する”ということはもちろんですが、そこから一歩進み、“住宅の機能を回復し”かつ“資産価値を向上する”ことを目指しています」と同社の染矢知宏さんは話す。さらに「既存の集合住宅を簡単に建て替えるのではなく、快適な住まいとして生かし続けていくことが私たちの役割」とも。

50年以上にわたり集合住宅の管理に携わってきたその豊富な経験と技術力があるからこそできる仕事であり、極めて社会的価値の高い事業といえるのではないだろうか。