健康を増進すると同時に
オフィス活性化の効果も
上下昇降デスクの存在に着目したのは、ロビンソン氏自身である。7~8年前、カナダの本社で活用されているのを見て以降、各国のマニュライフ・グループ企業にも普及した。日本のオフィスでも早く採用したいと考えており、今回のオフィス改革の準備を進める中、オカムラのショールームでSwiftと出会ったという。その瞬間を、ロビンソン氏は「これだ! と思った」と振り返る。
「座り過ぎが健康を妨げることは知っていましたので、まずは改善効果に期待しました。会議が多くて座り続ける時間が長いぶん、社長室での執務は立って行うことが多いですね。ちなみに海外とのTV会議に参加したとき、ずっと立っていたら、モニターの向こうのメンバーたちは驚いていました(笑)」
社員のスペースではSwiftをフリーアドレスで活用している。一口にオフィスワークといっても、特に集中力を要する業務もあれば、リラックスして、クリエイティビティを発揮することが必要なミッションなどもあるだろう。「仕事にもさまざまな内容があるわけですが、いずれの効率を上げるにも、座位・立位の使い分けが有効だと思っています。あと、オフィスを回っていて目にするのは、Swiftのミーティングテーブルで立って話し合っていると、自然に参加者が増え、ブレーンストーミングなどが活発化していく光景です」
より多様な次元でオフィスワークの自由度を高めると同時に、社員の健康に配慮する。それが顧客サービスの一層の充実、ひいては事業の継続的な成功に大きく寄与すると、ロビンソン氏は考えている。
環境整備はコストではなく
リターンが見込める投資
前出のオカムラ・武田氏が近年、実感しているのは、オフィスの環境整備に力を入れる企業の増加である。
「オフィス設備にコストを費やすというより、社員に対する投資ととらえる発想にシフトしています。オフィスづくりのテーマとしては、社員の健康増進、業務効率の向上、コミュニケーション活性化などが考えられます」
武田氏らは現在、「+Standingコンシェルジュ」として活動中。
「私たちは、オフィス投資を検討されているお客様に“立ち仕事”を取り入れることの効果をお伝えしています。さらに、Swiftの導入企業様の社員の方々に、上下昇降デスクを活用していただくためのサポートもさせていただきます」
座位と立位を使い分けるワークスタイルは、日本でも徐々に定着していくだろう。これからの健康経営には、これまでになかった自由度を「プラスする」視点が不可欠である。