英語学校を厳しい選択眼で吟味するグローバルビジネスパーソンから高い評価を受け、継続受講生も多いBECプログラム。その真価とは――。

UCLAが開発・実施する
コミュニケーション重視の英語教育プログラム

BECプログラム(Business English Communication Program)は、UCLAの一部門であるUCLA Extensionによって開発され、東洋大学との協定のもと東京都文京区の同大学白山キャンパスで開講されている。クラスは5段階に分かれ(下図)、いずれも毎週1回、3時間ずつのレッスンが計10回(約3カ月)という構成だ。現在は10月~12月期生を募集中である。


●レベルに合わせて学びをスタート! BECプログラムの5つのクラス
※受講クラスは、プレイスメントテスト(インタビュー・筆記[45分程度])の結果に基づき、決定される。

このBECプログラムが目指すゴールはどこにあるのか。大手企業での勤務経験もあり、ビジネスの現場にも詳しい主任講師のデイビッド・A・テドネ氏は、次のように説明する。

「ビジネスシーンに特化して英語によるコミュニケーションスキルを高めることが最大の目的です。そのスキルには、プレゼンテーション、ネゴシエーション、ディスカッション、それにソーシャライゼーション(社交)などが含まれます」

仕事で英語を使う人なら実感しているに違いないが、テストの得点に現れる英単語や英文法の知識と、最前線でのコミュニケーション能力はまったくの別物だ。

「コミュニケーションを重視するBECプログラムは、異なる文化的背景をもつ相手とも円滑に仕事を行うための知識やスキル、それに国際的なビジネスコミュニケーションでは欠かせない、クリティカルでクリエイティブな思考が身につくよう設計されています」

さらにテドネ氏は、言語学理論を踏まえ、次のように続ける。

「英語、日本語を問わず、母語であっても誰もが上手な文章を書き、自分の考えを上手に話せるとは限りません。コミュニケーションの成立にとって大事なのは個々のセンテンスでなく、ディスコース、つまりセンテンスの組み合わせやまとまりで伝えることだからです」

また、相手や状況に応じて語感や言外の意味を操るプラグマティクス(語用論)からのアプローチも、コミュニケーションの成否を決めるカギだという。確かに例えば商談では、相手との距離感を巧みにコントロールする言葉の駆け引きが必要だ。

グローバルビジネスにおいて武器となる本物の英語力──それを体得させてくれる場が、BECプログラムといっていいだろう。

David A. Tedone●デイビッド・A・テドネ
BECプログラム 主任講師

米国出身。マサチューセッツ大学ボストン校修士(応用言語学、第二言語としての英語教育)、コネチカット大学修士(英語学)。大手企業の海外広報責任者および経営・広報コンサルタントを経験後、英語教育に携わる。これまで出身国数60カ国以上の3000人余りを指導。2010年、UCLA Extensionより優秀講師表彰。