質問3
グループウェアの導入にあたっては、単に情報共有のツールというだけでなく、やはり経営効果が問われます。社長に、どう説明するのがいいでしょうか。また、高い効果を上げるために必要な視点などについても教えてください。

経営効果というものは、何より社員一人ひとりが本来の業務で力を発揮することにより生まれます。特に中小企業では、システム管理者が兼任の担当者である場合が多いですから、できるだけ管理者に運用の手間がかからないグループウェアを選ぶことが重要になるでしょう。具体的には、簡単なユーザー教育だけで直感的に使えることや、クラウドサービスを利用して外部に運用を委託しやすいことなどがポイントになります。

一方、グループウェアで「活発なコラボレーションを生み出すこと」が経営効果につながるという視点も大切です。例えば、ある中小企業の社長さんが出張先から「商談がうまくいきそうだ!」と掲示板にアップする。社員がそれを見て、情報を共有するという活用例があります。これまで社長からの一方的なコミュニケーションだったのが、全体で情報や意見を共有できるようになると、意思決定に対する社員の納得感が高くなります。それがモチベーションアップや業務スピードの向上をもたらし、結果的に売り上げや利益の拡大につながるのです。従来の一斉送信メールだと、やはり一方的に情報を送りつける形になり、情報が埋没してしまいます。

また、システム面ではスマホだけでなく、従来の携帯電話でも使えるというのもポイントの一つ。必要なとき、必要な人全員が、情報を共有できる。自主性を引き出すきっかけがあれば、会社は大きく変わりますし、グループウェアはそれを支える道具に十分なり得ると思います。

取材を終えて

栗山さんによると、「今年に入りサイボウズOfficeの新規顧客は毎月230~240社のペースで増加中」とのこと。そのうち、「約40%が社員10名以下の中小企業」で、さらに「全体の約45%が新規導入」という。初期費用はいらず、1人あたり月500円から始められるサイボウズのグループウェア。 進化するクラウドサービスが、中小企業の経営スタイルや働き方のイノベーションを着々と後押ししているようだ。

今回の記事では、グループウェアに関する3つの「よくある質問」に栗山さんに答えてもらったが、サイボウズ(株)ではグループウェア選定の要点をより詳しくまとめた「グループウェアの教科書」を公開している。3つの章、7つのポイントからなるこの教科書では、整えておくべき社内環境や稟議における効果的な説得材料などもまとめられており、システム担当者や業務管理者は重宝するに違いない。「グループウェアについて、もっと知りたい。もう少し勉強したい」という人は、一度アクセスしてみるといいだろう。

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