東京大学合格者の6割超は関東出身者

代々木ゼミナールが発表した東京大学2025年度入試データによると、前期日程合格者のうち関東出身者の割合は62%でした。

一方でそのほかの地域は、過去20年間で48%から38%へと10%も減少しています。地域別の志願者数を見ても、関東は増えているのに対し、九州・中国・四国などは減少傾向にあります。

【図表】出身地別合格者数の推移(前期日程のみ)

東北大学や北海道大学のような地域の大学でも、同様の傾向が高まっています。北海道大学では2008年に5割を超えていた道内出身者の比率が、2025年には30%以下に減少しています。その代わりに関東出身者の割合が増加していて、北海道の人が北大を目指すのではなく都会の名門高校の生徒が「後期試験で東大の滑り止め」で行く大学になってしまっているのです。

こうした傾向の裏には、全国どこでも容易に「情報を得られる」環境である一方、その情報をもとに考え、行動を選び努力し、判断する経験そのものが減っている構造があります。

地方の高校生が難関大に挑戦しない理由

これは、都会に住めばすべてが解決する、という単純な問題ではありません。確かに都市部には進学校や大手予備校が集中し、進学に関する情報や機会に恵まれています。都市部では同じ学校や予備校の仲間が東大や難関大学を目指していることが多く、子どもたちには、「自分も挑戦してみよう」と思いやすい空気感があります。

地方では、そもそも周囲に目指す人が少なく、教師や同級生との会話のなかでも難関大学が具体的な選択肢として出てこないことも多いのです。「挑戦する意識」が芽生えにくい環境に問題があります。

いえ、正確には「ありました」ではないでしょうか。ネット環境が整い、いつでも情報を平等に手に入れられる現在は、SNSや動画などで、進学体験談や勉強法、大学生活の様子など、ほしい情報を視聴できます。地方でも難関大学を目指す同志を見つけることもできます。