育児とビジネスの類似点

遠藤先生が解説する。

「たとえば、お子さんが『保育園に行きたくない』とグズったとします。その日はお母さんが抱っこして連れて行ってくれたのに、別の日に同じようにグズったらお母さんは何もしてくれずに、お父さんに腕を引いて園に連れて行かれた。日によって親の対応が違うとお子さんは戸惑ってしまいます。お子さんは予測できない状況が繰り返されると混乱します。

平日は、こういうスケジュールと決めたらできるだけ変えずに、一貫して続けてみる。するとお子さんは見通しが持てます。この見通しが持てる環境もお子さんにとっては、とても大切なのです」

それにしても、と思う。

〈ブレずに一貫性を持つ〉
〈見通しを示す〉

まるで組織やリーダーのあり方を説くビジネス書の見出しのようだ。

そんな私の感想に遠藤先生も同意してくれた。

「アタッチメントで、重要なのは信頼関係です。ビジネスの現場でも、上司と部下、チームの信頼がしっかり形成されていれば、職場全体の雰囲気もよくなり、生産性も上がっていくのではないでしょうか」

うまくいかない日にはこの一言を

3歳児も、ビジネスパーソンも同じ人間だ。それに、育児もビジネスも人間のやることに違いはない。育児のノウハウを仕事に活かすビジネス書だって成立するかもしれない。いいアイディアのような気がしてきた。が、その前に父親の育児という課題を解決しなくては。

会社のミーティング
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では、我が家では、一貫性や見通しといった遠藤先生のアドバイスをどう活かせるだろうか。

たとえば、平日は私がKを起こすというルールにしたらどうか。はじめは「トット、あっちに行け!」「ママがいい!」と叫ぶに決まっている。けれど、ブレずに一貫して継続したら、そのうちKも、朝は父親が起こしに来るという見通しができて、大人しく起きるようになるかもしれない。さっそく試してみよう。遠藤先生は続ける。

「ただし主張や急な用事など一貫性を保てない日もあるでしょう。そんなときは『今日はこういう日だからね』と言葉を通じて見通しを示していく。もちろんすぐにうまくいくとは限りません。でもうまくいかないからと大人の気まぐれでやめてしまうのはよくありません。お子さんにとって、つらいのが大人の気まぐれです。

昨日やってくれたのに、今日はやってくれない。親御さんの気分や都合に翻弄される状況は、お子さんの発達にマイナスに作用する場合も少なくありません」