サイン① 面談で親を待たせていないか
私はかつて、大手塾の運営責任者として約20の教室を統括してきました。塾業界にすでに30年余り働いていますが、その現場経験から、崩壊しかけている教室が発する「サイン」をお伝えします。
1つ目は、保護者面談などで「親を平気で待たせる」対応です。約束の時間に行っても「前の面談が長引いていまして」と悪びれずに待たせる塾の責任者(校舎長・教室長・塾長などと呼ばれる)がいたら、注意が必要です。
これは親御さんに何を伝えるべきかという事前準備を全くしていない証拠です。親御さんは、仕事や家事の合間を縫って貴重な時間を割いています。その時間を奪うことに鈍感な責任者だということ。こういう鈍感さ、ルーズさは教室全体に伝染し、先生を通じて生徒もズボラになる傾向があるのです。
たとえば、そのような塾には、ほかの先生たちも時間が守れないことが多いのです。授業も平気で延長します。終わらなかったから宿題ね、と後回しにすることもあります。
子供たち視点でみれば、授業が10分延びれば、本来15分あった休み時間が5分に削られ、トイレにも行けません。そして子供たちは慌てて次の算数の授業に向かい、今度は算数の先生に怒られることになります。
算数の授業時間は削られ、宿題のチェックも甘くなります。子供たちがだらしなくなります。制限時間内で答案を作るという入試において、このだらしなさは致命傷になってしまいます。
サイン② 電話やメールのレスポンスが早いかどうか
2つ目の危険サインは、電話やメールでの相談に対する「レスポンスが遅い」ことです。塾にプリントを提出したのに忘れられている、子供同士のトラブルを相談したのに数日間も放置される、といったケースです。
特に子供同士の人間関係のトラブルは、初期対応が遅れるとあっという間に燃え広がってしまいます。思春期もしくは思春期にさしかかったお子さんたちですから、放置するのは本質を理解していません。
返信が遅い理由は、単純に忙しいからではありません。お叱りを入れてくる親御さんや、人懐っこく寄ってくる特定の生徒・親の対応ばかりを優先している可能性があるのです。つまり、何も言わずに真面目に通っている「サイレントマジョリティの親」が軽視されてしまっている、とも捉えられます。
私は運営責任者時代、こうした「サービスの不公平」を厳しく指導してきました。同じ月謝をいただいている以上、サービスはフラットであるべきだからです。新人の先生などは、自分を慕ってくれる子をかわいがりがちですが、それは子供に舐められているだけの可能性もあります。一部の生徒だけを優遇する環境では、静かに・真面目に受けている子や目立たない子が置いてきぼりになってしまいます。


