カード各社の競争もあり、ますますサービスが進化、充実しているクレジットカード。その賢い活用法などについて、クレジットカード歴およそ40年というジャーナリストの蟹瀬誠一さんに聞いた。

身分証明書代わりになり
お金を管理するツールとしても便利

──まず、基本的な質問になりますが、蟹瀬さんはいつ頃からクレジットカードをお使いですか。
蟹瀬誠一●かにせ・せいいち
ジャーナリスト
キャスター
明治大学国際日本学部教授
1950年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米「TIME」誌特派員を経て独立。TBS「報道特集」キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。現在は、明治大学で教鞭を執るかたわら、テレビ、雑誌など各種メディアで活躍。

【蟹瀬】1970年代の後半だと思いますね。だから、もう少しで40年になります。当時は、海外で通信社の記者をして、周りの人間もすでにクレジットカードを当たり前に使っていました。移動も多い仕事だから、キャッシュレスは便利だし、海外だとクレジットカードがある面では身分証明書の代わりにもなるんです。例えばレンタカーを借りるにしても、現金だとなかなか貸してくれないところがありました。そこでクレジットカードを出すと、「これなら安心だ」と決済をしてくれる。だから、「仕事上、必要に迫られて」というのがカード利用のスタートですね。

──現在の利用の状況はいかがですか。

【蟹瀬】日常的に使っています。いまは日本でも、「コーヒーを一杯飲んでそれをクレジットカードで支払う」というのが珍しくないでしょう。ネットショッピングでも必須だし、ほぼ毎日何かしらで利用しています。便利なのは、後でしっかり明細を確認できること。ヘビーユーザーはみんな実感していると思うけれど、クレジットカードは上手に使えばお金を管理するツールとして役に立つ。いつ、何を購入したのかが明確に分かるというのは大きなメリットでしょう。

それと、補償なども大事なポイント。以前、カードを不正利用されたことがあるんです。そのときは、カードの発行会社から「○○○でチケットを購入されましたか」とすぐ確認の連絡が入りました。普段の私の利用傾向とは違うということで、コンピュータが警告を出したんです。決済が不正なものだと分かれば、請求は取り消される。クレジットカードの世界では、こうした仕組みが早くから確立しているので安心感がありますね。