藤川太さん

【mucco】そっちのほうが大学に入るよりずっと難しいですよ(笑)でも、好きなことを見つけた子どもには、いろんな可能性がありますよね。

【藤川】教育は聖域ってみなさんじつはわかっているんだけど、そこを突かれたくないみたいなんですね。

【mucco】あのときちょっと出さなかったばかりに、受験に失敗した、と思いたくないのでは。

【藤川】それはあると思うんです。でも、何かのアンケートで、「いままでお金をかけたもので無駄だと思ったものは何です」という質問でたいていトップにくるのが教育費です。のど元を過ぎれば「あんなにかけなくてもよかったんじゃないのか」とか、「あれだけ教育費かけて、大学入れたのに2年で中退した」とかね。結局教育費というのは強迫観念でかけるんだけど、後から思うとあんなに使わなくてもよかったという人が圧倒的に多い。

【mucco】親が思っているのと子が考えているのは違うということですか。

【藤川】それもありますね。子どもは親が思うほどにはありがたみを感じていません。親が苦労して学費を払っているのに簡単に辞めてしまうとかね。

介護も経済的な見通しを立てることから

【藤川】muccoさんは子育てはしていないけれど、介護はもうずいぶん長いことやっておられるんですよね。

【mucco】はい。まだ継続中です。義理の父と母が2人同時期に入院した際に、入院費が月に数十万円もかかりました。親が認知症になってしまうとお金が引き出せなくて、私たちが立て替えなくてはなりませんでした。2人ともキャッシュカードがどこにあるかも暗証番号もわからない状態で……。こういうことは突然やってきますので、縁起でもないなどと言わずに、もしものときのことを考えて親と話をしておいたほうがいいと思います。