2013年6月14日(金)

いずれ「サラリーマン」は消滅。プロフェッショナルを目指す第一歩を踏み出せ -橘玲

「今年、絶対やるべきこと」リスト

PRESIDENT 2013年2月4日号

著者
橘 玲 たちばな・あきら
作家

1959年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2002年に小説家デビュー。近著に『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』。

作家 橘玲 構成=金融系ライター 山本信幸
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新年になっても、依然情勢は不安定で将来への不安は多い。そんな中、この1年をどう過ごすべきか。今の自分の価値がどこにあるのかを自覚するだけでも10年後は大きく違ってくるはずだ。

会社に所属して会社のために働き、対価として給料を受け取る「サラリーマン」という働き方は、どの国にも存在する“グローバルスタンダード”のように見える。だが日本のサラリーマンは、実はかなり特殊だ。

外国人に「あなたの仕事は?」と聞くと「会計をしている」と専門分野を述べ、「どこでその仕事をしているのか?」と聞いて初めて会社名を答える。自分のプロフェッション(専門分野)がまずあって、会社はプロフェッションを活かす場所なのだ。

日本のサラリーマンはプロフェッショナル(専門家)ではなく、それぞれの会社に最適化されたジェネラリスト(総合職)で、その技能や経験は会社を離れるとなんの価値もなくなる。そんな働き方が成立していたのは、年功序列と終身雇用が前提にあったからだ。

しかし今、日本的な雇用制度は崩壊しつつあり、いずれは「サラリーマン」という職業も存在しなくなるだろう。そんな目の前の未来に備えて、13年は、「サラリーマンという生き方」を見直す年にしたい。

あまり知られていないが、グローバル化に最適化した社会システムを構築しているのは、アメリカではなく北欧だ。たとえばスウェーデンでは、40歳になって「自分のキャリアはもう先がない」と判断したら、会社を辞めて大学に再入学し、修士や博士を取得して専門性を高めて再就職する。国も後押しするために、大学の学費を無料にしたり、就学中は低利の融資で生活費が賄えるようにしている。

もちろん、スウェーデンの社会がなにもかもうまくいっているわけではない。ドロップアウトしていく若者たちが問題になっているし、形式的には男女は完全に平等だが、実態は女性の仕事の大半を医療や介護のような公共部門が提供している。

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