テレビ、ラジオとくれば、次は新聞だ。新聞には考える力をつけるための材料が、ふんだんに盛り込まれている。だが、小学生に新聞を読む習慣をつけようとしても、さすがにハードルが高い。

そこで清水さん自身が、子供が新聞に親しむように実践してきたことがある。まず、幼稚園のときには、ポストに配達された新聞を取ってくる係を任せた。そして小学校1年生から3年生までは、新聞の天気予報を報告する係、4年生からは1面と社会面の見出しを報告する係を任せた。

「見出しを読み上げるのに慣れてきたら『何が書いてある?』などと質問して、少しずつ中身も読ませるようにしました。私が仕事をするうえで実際に必要な情報でしたので、子供も真剣になります。取材したご家庭でもよく耳にしたことですが、自分の考えをちゃんとした文章でわかりやすく表現できるようになるには、本と新聞を読ませることが効果的といえます」

また、活字に親しんでいない子供が新聞に親しむために、こんな方法もあるという。

「3つの記事を選んで、どれを1面、2面、3面にするかを家族みんなでやってみるのです。そして、なぜその順番に並べたかを一人一人が答えていくと、人によって考え方が違う、新聞もそうしてできているといった発見があります」

清水さんによると、リーマンショック前後くらいから、中学受験の入試当日に子供の手を引くパパの姿が増えているように感じるという。

「パパが積極的に受験に関与するのはいいことなのですが、行き過ぎは禁物です。ママは子供の一番の相談相手でなければならないので、一喜一憂しやすくジェットコースターのように感情が動くのは仕方ない。だからパパは、子供の歩みを止めさせたり、逆戻りさせたり、寄り道をさせたりなど、観覧車のようなゆったり余裕のある空間を作ってほしいですね」

(遠藤素子=撮影)
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