2013年5月2日(木)

「大組織のスピードを上げる」米軍式4つのメソッド

PRESIDENT 2013年1月14日号

著者
マーク・ボンチェク,クリス・ファッセル 

マーク・ボンチェク、クリス・ファッセル=文 ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真
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企業が大きくなるほど、いざとなったときの動きは鈍くなりがちだ。しかし組織の規模とスピードは両立させることができる。そのロールモデルは意外なところにあった。

クジラと鳥の関係は組織にも当てはまるか

自然界では、規模とスピードはトレードオフの関係にある。クジラは小回りがきかず、鳥は俊敏に動く。だが、今日の組織は大きく、かつ俊敏であることが求められている。組織は俊敏性と拡張性を併せ持つことができるのだろうか。

サンタフェ研究所のジェフリー・ウエスト教授は、生物学では、大きいことには確かに利点があることを明らかにしている。クジラは鳥より効率的で寿命が長いのだ。だが一方、クジラは鳥より俊敏性が劣り、適応力も低い。規模は効率を与えても、スピードや柔軟性は与えてくれないのである。

対して都市は、大きくなるにつれて快適になり、速くなる。大都市は小都市より所得が高く、犯罪率が低く、イノベーションのスピードが速い。人々の歩くスピードさえ大都市のほうが速い。その理由はネットワークである。生化学システムは規模が大きくなるにつれて効率的になるが、同時に動きが遅くなり、適応力が低下する。対してネットワークは、規模が大きくなるにつれて融通がきくようになり、創造的になる。生物の脳はこの特性を備えているが、都市やコミュニティのような社会システムも、フェイスブックやツイッターのようなバーチャル・コミュニティもまたしかりなのだ。

ウエストによれば、今日の企業はどちらかというとクジラや機械のように振る舞っている。規模の経済性を追求することで、効率は向上してきたが、スピードや柔軟性は低下したのだ。

だが、企業がコミュニティのようになれない理由はどこにもない。社会ネットワークである企業を、われわれがそのように運営してこなかっただけなのだ。

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