2013年4月30日(火)

「コスプレをビジネスにするには(後篇)」

秋葉原☆マネタイズ【第7回】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
梅本 克 うめもと・まさる
デジタルハリウッド大学客員准教授 Ph.D.(経済学)

梅本 克

1967年生まれ。1998年、ヴァンダービルト大学(米国テネシー州)卒。米国留学時より少女漫画の翻訳活動を通して日本文化の普及に努め、2005年にアジアアニメーション産業組織体(AAO)を立ち上げて、アジア各地でコンテンツ産業の育成や若手クリエイターの支援を行う。これまで国内外で多くのアニメ、ロリィタファッション、ヴィジュアル系など、日本のポップカルチャーに関わるイベントをプロデュースし、現在は秋葉原に活動拠点を置いて、新しい文化の創造と発信を通した地域活性化プロジェクトに携わる。趣味は仏像鑑賞とコスプレプロデュース。柔道二段と茶道石州流奥傳の資格を持つ。主な関心は秋葉原における趣味文化の経済学。

執筆記事一覧

梅本 克=文(デジタルハリウッド大学客員准教授)
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それは「コスプレ」ではない

「叶え、私たちの夢! (コスプレイヤー=みるる 撮影=龍道)」

前回では、コスプレは単なる仮装とは異なり、衣装を変身アイテムとして架空のキャラクターに「なりきる」という、日本発祥の趣味文化であることを紹介しました。その関連ビジネスとして、最近では、自主制作作品、いわゆる同人作品としてのコスプレ写真集の即売会が増えています。コスプレ写真集は、スタジオや野外ロケで撮影し編集したコスプレ写真をCDに収めた「コスプレROM」と呼ばれるものが主流の形態です。写真集の中には、コスプレイヤー独自のコンセプトや表現手法で、正にアートの領域まで深化している作品もあります。

本来なら、コスプレ写真集の即売会は、コスプレ文化とそのビジネスを発展させる格好の場となるはずでした。ところが今、この即売会にある業界からの進出が勢いづき、コスプレ文化を破壊しつつあります。それは、アダルトビデオ(AV)業界です。

一部のAVメーカーは、人気アニメキャラクターに仮装させたAV女優やモデルの写真集を18禁(成人用)「コスプレROM」として即売会で販売しています。その内容は、扮しているキャラクターやその作品への愛情や敬意は微塵もなく、冒涜しているとさえ感じさせるものです。キャラクターに「なりきる」ためには、そのキャラクターや作品への思い入れが必要になるので、これらの写真集はコスプレとはまったく別物と言えます。そのため、コスプレイヤーの多くは、この似て非なるコスプレROMに嫌悪感を持っています。しかし、扮しているキャラクターが何であれ、情欲を煽りたてる内容は、一部の男性を強く惹きつけます。

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