実はユーチューブやニコニコ動画は、このプログレッシブ・ダウンロードに当たり、「観るだけ」のつもりがダウンロードになっている。

その証拠に、ユーチューブを利用すると、パソコン内のある場所に、視聴した動画ファイルがキャッシュ(一時記録)ファイルという形で保存される。

これに関して文化庁は、ユーチューブでの違法動画の閲覧に伴って手元のパソコンに作成されるキャッシュファイルは、「著作権法47条の8という例外規定が適用され、権利侵害にならないと考えられる」としている。しかし、文化庁の解釈は裁判所で否定されたこともあり、文化庁が言っているから大丈夫というわけではない。技術を詳細に検討した結果、裁判所が適用を否定するという可能性がある。しかも、この例外規定には、あくまでもネット経由で送信されたデータを受信して観る場合という但し書きがある。

この但し書きは、同じ動画をもう1度再生するときに問題となる。2度目の再生では、ユーチューブのサーバーから再度データが流れてくるのではなく、手元のキャッシュファイルが再生される。これはまさにダウンロード済みのファイルを再生していることになり、例外規定は適用されず、違法になりかねない。

本当にプログレッシブ・ダウンロードが対象外ならば、きちんと著作権法に反映させるべきだったが、現状は曖昧で場当たり的な規定になっている。

このような曖昧な規定は、警察によって恣意的に運用される可能性もある。例えば違法アップロードを発見して、プロバイダに資料を提出させ、ダウンロードした者を割り出す。その中に“めぼしい人物”がいたら捜索・差し押さえするようなケースだ。めぼしい人物とは、有名人、一流企業の社員など見せしめ効果のある人間ということになる。心当たりのある方は、注意するに越したことはない。