私服警官はずっと不審者をつけている

盗撮事件が非常に増えている。刑事事件の弁護を扱う私たちの事務所では、この2年で盗撮に関する相談はおよそ2倍に増加した。

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摘発件数は6年で1.8倍に激増!

以前はかばんに小型の特殊なカメラを仕込んで盗撮するような事件が多かったが、最近は主にスマートフォンが使われている。シャッター音を消すアプリも登場し、テクノロジーの発達で誰でも簡単に盗撮できる環境ができた、ということだろう。

盗撮事件がよく発生する場所は階段や電車の中である。意外によくあるのがショッピング中。たとえば書店で女性客が立ち読みしているスキに、カシャッと盗撮していくのだ。

「横浜駅○○の階段」というように、盗撮が多発する特定のスポットもある。そうした場所では私服警官が見回りを行い、監視カメラもいっぱい設置されている。

そして挙動不審で女性の後をつけ回している人を見つけると、私服警官はずっと後をつけていく。それも1人ではなく2人組で行動するのだ。そうやって慎重に不審者の行動を把握し、盗撮を行った現場を押さえ、確実に捕まえるのである。

このようにして警察官に捕まった場合、証拠となる画像や動画のデータが残っていることもあり、えん罪はまず起こりえない。

一方、警官ではなく一般の人が盗撮の現場を目撃し「あなた、いま盗撮していただろ!」と言われるケースもある。実際にはやっていないのに盗撮を疑われることがあるとすれば、こちらのケースになるだろう。

盗撮した人は各都道府県の迷惑行為防止条例によって処罰される。東京都の場合、最高で罰金は100万円、懲役は2年である。初犯であれば罰金ですむ場合も多いが、これが2度、3度と続けば、正式裁判となり、厳しい判決が下るだろう。