2013年4月18日(木)

自転車でひき逃げは最高10万円の罰金+高額賠償金

気の緩み、直らないクセ-自転車事故

PRESIDENT 2012年12月3日号

著者
徳永 博久 とくなが・ひろひさ
弁護士

徳永 博久

小笠原国際総合法律事務所所属。1972年、広島県生まれ。県立甘日市高校卒。東京大学法学部卒後、金融機関、東京地方検察庁検事を経て、2007年弁護士登録。職業能力開発総合大学校講師(知的財産法、労働法)としても活躍。

小笠原六川国際総合法律事務所 パートナー弁護士 徳永博久 構成=石田純子 撮影=坂本道浩
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14歳以上で刑事罰重傷なら逮捕もある

自転車は道路交通法上の「軽車両」にあたり、事故を起こせば刑事と民事の両方で責任を問われます。運転していたのが13歳以下の少年であれば刑事責任は問われませんが、14歳以上で、被害者が重傷を負ったり死亡した場合は、警察によってただちに身柄を拘束される可能性が高いと考えたほうがよいでしょう。

相手がケガをした場合、「刑事」では過失傷害罪として30万円以下の罰金です。ただし親告罪なので、相手が告訴しなければ刑事罰が科されることはありません。また不幸にも相手が死亡した場合は、重大な過失があると重過失致死罪として5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金となり、実刑の可能性も出てきます。

一方「民事」では、被害者のケガの度合いや年齢により、加害者側に損害賠償の義務が発生します。

私が扱った事故では、自転車に乗っていた中一の男の子が下り坂でスピードを出し、歩いていたお年寄りに背後から衝突して死亡させてしまったケースがあります。加害者が13歳以下だったので刑事事件としての処分は受けず、示談で数百万円の賠償金を支払うことで解決しました。

これは被害者がすでに退職しており今後の収入の見込みがない方であり、かつ、事故後の加害者の態度が誠実であったことなどから、被害者の遺族も冷静に対応し、比較的穏便な交渉で合意に至った例ですが、仮に被害者がまだ現役として就労中の世代であった場合、ケガをすれば治療費はもちろん休業損害などを賠償しなくてはいけませんし、死亡すれば、被害者がその後の人生において得るはずであった収入分(逸失利益)が加算され、賠償金が数千万円に達する可能性が高いといえます。

自転車は免許が必要なく、誰でも運転できる手軽な乗り物ですが、その運転の仕方次第では、死亡事故を引き起こす危険性を常に持ち合わせています。親はその危険性を日頃からしっかりと子供に教えこみ、万一事故を起こしたら、年齢によっては警察に連行される可能性もあるのだと言い聞かせておくべきでしょう。

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