最近、SFA(営業支援ソフト)やCRM(顧客管理システム)などを導入して営業プロセスを管理する会社が増えている。ただ、それが新規開拓につながっているかというと疑問だ。

なぜ新規顧客獲得に結びつかないのか。それはプロセス管理が、単なる受注プロセス、商談プロセスの管理にとどまっているからだ。

たとえば案件化した時点で、予想受注額をシステムに入力。そこから見積もり出しまでいける案件は何割、受注までいく案件は何割と計算して、最終的に受注数と受注金額を予測。それに沿って、「予算達成のために案件をもう少し増やそう」と管理していく。

こうしたやり方はマネジャーが数字をされる確率はグンと減るはずだ。

もう1つ、「時限トーク」も効果的だ。時限トークとは、顧客に仮のゴールをイメージさせて、そこから逆算したスケジュールを共有するトークのこと。典型的なトークは次のフレーズだ。

「仮に導入するとしたら、いつごろがもっとも都合がよろしいでしょうか」

これで仮のゴールが決まれば、さかのぼって4週間前には見積もり提出、6週間前には提案書提出というように、仮スケジュールが見えてくる。これを表や文書にして顧客と共有すれば、「そろそろ提案書をお送りしますね」と、主導的にプロセスを進めていくことができる。案件のクロージングもその延長線上にあるため、顧客も了承している自然な形で「ご契約いただけるかどうか、ご検討いただけましたか」と切り出せるのだ。

自分都合でクロージングしてはいけないし、顧客まかせでもプロセスは前に進まない。いま紹介した手法を活用して、ぜひ顧客と時間軸を共有してもらいたい。つくるための管理にすぎず、現場で求められるプロセス管理とはほど遠い。