2013年3月22日(金)

コンプガチャにつぎ込んだ金を返してもらえるか

想定外のお金の問題-ネットゲーム

PRESIDENT 2012年12月3日号

著者
秋山 直人 あきやま・なおと
山崎・秋山法律事務所 弁護士

秋山 直人1999年、司法試験合格。2000年、東京大学法学部卒業。01年、弁護士登録。民事訴訟を中心に弁護士業務に従事している。

山崎・秋山法律事務所 弁護士 秋山直人 構成=岡村繁雄 撮影=坂本道浩
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コンプリートガチャ(以下コンプガチャ)は携帯端末のオンラインゲームの1つである。街の店先などに置かれているカプセルトイ(ガチャ)のように有料で入手できるアイテムを特定の組み合わせで揃えると、別の稀少アイテムが獲得できる。ガチャと同じようにアイテム購入の際には、どんな種類が当たるのかわからない。それゆえ稀少アイテム欲しさにユーザーが操作を繰り返し、料金がかさんでしまうことがあって社会問題化していた。

そこで消費者庁はコンプガチャの景品規制上の問題点を浮き彫りにし、このゲームが景品表示法で禁じている「カード合わせ」に該当すると判断。同法の運用基準を見直し、12年7月1日から行政処分の対象とした。今回の消費者庁の動きで、コンプガチャの問題は沈静化が図られそうだ。DeNAやグリーの大手モバイルコンテンツ会社は、改正前にコンプガチャを自主的に廃止している。

この流れからすると「行政処分の対象になるようなコンテンツを提供したのはけしからん!」ということで、多額のお金をつぎ込んだユーザーにすれば返還請求を考えたくなるはずだ。運営会社とユーザーの間の契約が過去に遡って無効という判断がなされれば、つぎ込んだお金が返ってくる。

とはいえ、景品表示法の禁止規定は、行政上の理由から一定の行為を禁止・制限し、その違反に対して課徴金や行政上の不利益を科すもので、一般的には「行政取締規定」と呼ばれる。それに違反した契約であっても、直ちに無効になるわけではないのだ。上限金利の超過部分が過払いとなる利息制限法のような「強行法規」と比べると効力は弱い。

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