Vポイント経済圏がトップグループに飛び出る可能性がある

実は今回の楽天の3アプリの統合と同時に、別の統合が進んでいます。それが楽天カード、楽天銀行、楽天証券の経営統合です。楽天市場と並ぶ楽天グループの二本柱である金融事業をひとつにまとめていこうという動きがあるのです。そしてこのもうひとつの統合話は実はまた別のポイント経済圏のライバルと関係してきそうです。

私自身は未来予測専門の経済評論家です。最近、一番気にしている未来予測が、いまのところノーマークに近いポイント経済圏であるVポイント経済圏が、この先、ポイント経済圏のトップグループに飛び出てくる可能性があるという予測です。

お金の世界では情報としてのブームがあります。少し前なら「ふるさと納税をやらないのは損だ」みたいなブームがありましたが、2024年現在では新たにふたつのブームが起きています。ひとつは「セブン‐イレブンで現金で買い物をするのは損だ」というのと、もうひとつが「新NISAをやらないのは損だ」という話題です。このふたつの話はどちらもVポイントの戦略とつながっています。

コンビニでのVポイントの大盤振る舞いには目を見張る

すでに気づいている人はやっていることですが、今、なぜかセブン‐イレブンとローソンで買い物をする際に、三井住友カードを作ってアプリでタッチ決済すると最低でも7%のVポイントが還元されます。PayPayで支払うと最大でも2%しか還元されませんから、これらのコンビニでのVポイントの大盤振る舞いには目を見張るものがあります。

話題の新NISAでは口座開設数が多いのが2大ネット証券であるSBI証券と楽天証券です。このうちSBI証券で新NISAの積立を行う際には、やはり三井住友カードを作ってそれで毎月の積立を設定すると、なぜかVポイントがたくさんたまります。ゴールドカードなら積立上限の10万円で毎月1000円分のVポイントがもらえるのですから、やはり大盤振る舞いです。

「新NISA」と書かれたブロック
写真=iStock.com/78image
※写真はイメージです

こういった今ブームになっている入り口で、三井住友カードを作った人にはどんどんVポイントがたまります。それを使ってもいいのですが、もうひとつ秘技があります。大量にもらったVポイントはSBI証券で新NISAで運用できるのです。

最近のポイントまわりではポイント運用が話題です。PayPayを例にとるとポイントを使わずに、比較的簡単な操作でアメリカ株の運用に回すことができます。それが最近の円安と株高でいつのまにか30%ぐらいポイントが増えていたりするのです。