不良が激減したのはスマホの普及⁉

不良が減った原因は何なのでしょうか? 不良が減った原因は4つあると思います。

『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』
平野薫『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)

まず1つ目は子供に対するきめ細かなフォローが増え、以前よりも落ちこぼれる子供が減ったことです。現在は少子化の影響で子供一人に対して見守る大人が増えましたし、学校においても相対的に教員数が増えてかつてよりきめ細かなフォロー体制ができています。不良になるきっかけの一つに勉強ができず落ちこぼれるということがありますが、昔より落ちこぼれることが減ったのではないかと思います。

2つ目としては暴力団が衰退したことがあるのではないでしょうか。暴力団、いわゆるヤクザは不良の就職先(?)の一つでもあり、憧れの対象であったと思います。その暴力団が暴力団対策法の施行により衰退し、ピークの1991年に9万人だった構成員(準構成員含む)も2022年末には2万2400人と3分の1以下に減っています。

3つ目は、インターネットの普及です。かつてはやることがなく、時間を持て余していた若者が街でたむろし、良からぬ行為に及んでいました。しかし現在はインターネットで気軽に映画を見たりゲームしたり、SNSでコミュニケーションを取ったりと自宅に居ても十分楽しめる環境が整っています。意味もなく集まるよりもインターネットを通じた娯楽に興じる方が遥かに楽しいという若者が増えたと思います。

4つ目は、不良のイメージが悪化したことです。最近では暴走族のことをネット上で珍走団と揶揄することがあります。福岡県警も“エッ! 暴走族? いいえ、珍走団です。”というポスターを作り、暴走族に対するネガティブキャンペーンをしていた時期がありました。どちらにしても奇抜な恰好をして人に迷惑をかけるという不良がダサイものとして認識され、女子にもモテなくなったことで不良になろうという若者が減ったと考えられます。

いずれにしても不良も暴力団も減り、街が平和になることは良いことですね。

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