21世紀に入り、企業を取り巻く競争環境は激変し、管理職も違う要求を突きつけられている。人を見るプロたちが語った、本音で「いらない」管理職像とは──。

過去の成功モデルが崩壊し、市場の成熟化とグローバル化の障壁を前に5年先すら見えない状況で企業はあえぐ。最前線で指揮を振るう管理職、マネジャーの役割も大きく変わろうとしている。

サイバーエージェント 
取締役人事本部長 曽山哲人氏

高齢化と人口減による国内市場の縮小に直面するキリンホールディングスの三好敏也人事総務部長は「キリングループは連続的から非連続的な成長への転換を目指し、今まで経験したことのない未知の領域に打って出る必要がある。市場環境の変化を的確に捉えてチャンスに変えるマネジャーが求められている」と語る。

ネット広告大手のサイバーエージェントはマネジャーの役割を「組織の成果を出す人」と定義する。曽山哲人取締役人事本部長は「マネジャーの仕事はコミュニケーションや、モチベーションを上げることではない。これらはあくまで手段であり、目的は継続的に組織の成果を出し続けることだ。昔のように誰もが勝てる時代ではない厳しい競争環境にあって、マネジャー1人の力ではなく、組織の成果を最大化するチーム経営をできる人が求められる。継続して成果が出せない人は降りてもらうこともある」という。

ビジネス環境の激変は、過去には通用したかもしれない管理職の退場を促している。今の時代に通用しない管理職とはどういうタイプか。複数の人事部長の証言からタイプ別に分類した。