パワハラに関与した6人は文書で謝罪

遺族側は上級生や劇団スタッフから15件のパワハラがあったと主張してきたが、ついに劇団、阪急側はすべての項目でパワハラ、いじめを認めた(15件を整理して、14項目にまとめ直している)。だが、いまだに劇団も加害上級生も、ヘアアイロンでの火傷は故意ではなかったと主張している。

会見があった28日の午前11時、角会長、嶋田社長、宝塚歌劇団理事長の村上浩爾こうじ氏らは、遺族側と直接面会して謝罪し、上級生や劇団スタッフの謝罪の手紙を手渡した。

宙組の幹部上級生4人、上級生3人、劇団プロデューサー2人、演出担当者1人の、少なくとも10人がパワハラに関与していたが、幹部を含む上級生3人、劇団スタッフ3人の6人が遺族側に対して文書で謝罪した。あと1人が謝罪する意向だが、残りの3人はいじめ、パワハラを認めておらず、謝罪を拒否しているという。

宝塚歌劇団にすべての責任を押し付けた

嶋田社長は、今回の問題が起きた背景について「劇団経営陣の怠慢、具体的には現場における活動への無理解や無配慮等によって、長年にわたり劇団員にさまざまな負担を強いるような運営を続けてきたことが引き起こしたことであり、そして、これらのすべての原因が劇団にあり、安全配慮義務違反があった」と認めたが、上級生の劇団員には「悪意はなく」問題がなかったと、パワハラを行った上級生の責任追及をしないと明言している。

嶋田社長は「関係者にヒアリングを行い、詳細を確認して参りました。その過程において、例えば、厳しい叱責が仮に悪意がなかったとしても、ハラスメントにあたることもあるという気付き、そのものが劇団員にもなく、そして、われわれが何よりも、それを教えてもいなかったことを改めて認識した次第でございます。時代に合わせて変えてこなかったのは劇団でありまして、その責任は極めて重いと考えています」と、宝塚歌劇団にすべての責任を押し付けた。

今回の合意にあたって、「経営責任をどう取るのか」という質問に対しては、昨年11月に角会長、嶋田社長を減給処分にしたので、嶋田社長は「今回は、何の処分もしない」と平然と答えている。