Z世代に重要な「適度な距離感」

仕事においてもプライベートにおいても、このような空気感を持ったZ世代とうまくコミュニケーションを取るコツは、どんなところにあるのでしょうか。私は、「適度な距離感」がポイントだと考えています。

昭和世代が熱い情熱をぶつけたところで、Z世代には響きません。逆に引かれてしまうだけです。

といっても、Z世代は、体の芯まで冷え切った冷感世代ではありません。傍目には、雪化粧をしてその感情を掴ませないように見えても、彼らの内部には熱いマグマ(感情)がいまにも噴火をする勢いでうごめいているのです。

創造的な起業家とビジネスの人々のグループ
写真=iStock.com/Drazen_
※写真はイメージです

Z世代とうまくやるには「憧れの対象」になることが重要

熱いマグマを内に秘めた雪山のZ世代に対し、「あれをやろうぜ」「こうしようぜ」と外側から熱く語りかけるのは愚策です。俗に「背中で見せる」といいますが、イメージとして半径5~10メートルくらいの距離を取って、付かず離れずのポジションをキープしながら、Z世代がこちらに興味を持つのを待つようにして接するとうまくいきます。

推し活世代でもあるZ世代は、一生懸命頑張っている人をリスペクトしたいという気持ちが強いのも、その特徴のひとつ。自分には真似できないような専門性を持った人に憧れを抱いているのです。

ですから、昭和世代や平成ゆとり世代は、Z世代と仲良くなろうとへたにちょっかいを出すのは逆効果。急がば回れで、仕事や人生を充実させ、その人自身が毎日楽しく過ごすことが第一です。

そんな上の世代の姿を見て、Z世代にとって憧れの対象となれば、Z世代のほうから心を開いてくれるようになるでしょう。

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