山積みの作業があっても、心に余裕のある人は何をしているか。順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは「処理すべき作業が山積みの状態では、自律神経も乱れてしまい、パフォーマンスも落ちてしまう。おすすめなのは、やるべきことをすべて書き出して『見える化』することだ。『長期』『中期』『短期』とカテゴリを分別して、その締め切り=日付も書き入れると、目で見て判断ができるので、頭の中もすっきりし、自律神経も整う」という――。

※本稿は、小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)の一部を再編集したものです。

山積みの書類の前で、書類の束を持っている人
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SNSで人間関係が広まるが、マイナスの影響のほうが大きい

人は生きていくうえで、他人とまったくかかわらずに生きていくことは不可能です。コミュニティの一員として活動している以上、日々起こるさまざまな出来事や、人間関係の壁にぶつかり、ストレスを感じることもあるでしょう。

すべてのストレスのうち、人間関係のストレスが9割を占めるといわれています。最近ではリアルな人間関係だけでなく、SNSでの人間関係に悩む人も増えています。

SNSで人間関係が広がった結果、他人と自分を比較してしまい、ストレスを感じてしまうことが多くなっているのです。

SNSにはコミュニティづくりや自己表現、孤独感の解消などプラスの効果もあるのですが、人と比べることで劣等感が刺激され、かえって不安感や孤独感を強めてしまうといったマイナスの影響のほうが大きいと私は思っています。

自律神経を整えるためには、SNSを含め、「人間関係」をできるだけすっきり整理することが重要です。

その人間関係が、自分にとって何かの役に立っているのか、プラスの影響があるのか、よく吟味してみてください。付き合っていても無意味だと感じたり、むしろ自分にとって悪影響を及ぼすと思うなら、思い切って整理してしまいましょう。