タバコを吸っている人はリスクが高い

慢性上咽頭炎があるかどうかは、専門的知識を持つ医師に診断してもらう必要がありますが、セルフチェックでおおよその見当をつけることもできます。次の項目に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。

□ 朝起きると、のどがイガイガする、痰がからむ
□ 鼻水がのどを流れ落ちてくる
□ 咳がいつまでも続いている
□ 疲れ、頭痛、肩こりがとれない
□ しょっちゅう風邪をひく
□ 口を閉じると、あごに梅干しのようなしわができる
□ 唇がいつも乾燥している
□ 耳の下(胸鎖乳突筋きょうさにゅうとつきん)を触ると痛みがある
□ 睡眠中、いびきや歯ぎしりがある
□ すっぱいものがこみ上げることがある
□ 舌の側面に歯型がついている
□ タバコを吸っている
耳の下にある「胸鎖乳突筋」を触ると痛い?
出所=『その不調の原因は慢性上咽頭炎にあった』(イラスト 林ユミ)

2個以上に当てはまるようなら、慢性上咽頭炎の可能性があります!

処方薬はないが、治療法はある

慢性上咽頭炎には現在、処方できる薬はありません。ですが、ご安心ください。たいへん有効な治療法があります。

それが「上咽頭擦過さっか療法」です。最近では、英語訳の「Epipharyngeal Abrasive Therapy」の頭文字を取って「EAT」(イート)と呼ばれています。

手法としては単純なもので、0.5~1.0%濃度の塩化亜鉛の溶液を浸み込ませた綿棒を鼻から、咽頭捲綿子いんとうけんめんし(のどの奥に薬を塗るための医療器具)を口から直接入れ、上咽頭にこすりつけるという治療法です。

「EAT」と呼ばれる「上咽頭擦過療法」
出所=『その不調の原因は慢性上咽頭炎にあった』(イラスト 林ユミ)

この際、塩化亜鉛を軽く塗るだけではあまり効果がなく、綿棒をしっかりと上咽頭にこすりつける必要があります。単純な方法ではありますが、こすりつける力加減などには多少のコツがあって、治療者の熟練を要します。