柳井正会長兼社長は2010年、グローバル化展開に伴った海外市場への「民族大移動」として、採用から育成までをグローバルで行う体制を整えて、世界中で活躍できる店長を毎年1000人送り出す意向を公表した。
「当社は、ここ数年で欧米やアジア地域の多くの国に出店しました。それに伴って店長候補にもなる現地スタッフの数を増やしています」(ファーストリテイリング広報部)
両社ともに、グローバル展開の結果、外国人採用数も増えた、という見解だ。
2010年に、12年からの社内公用語を英語に定めた楽天は、11年度の新卒採用予定600人のうち3割弱を外国人が占める予定だ。07~09年採用の外国人比率は2~3%、10年は15~16%であることを考えると急激に外国人の比率が増えた。パナソニックやファーストリテイリングとは異なり、現地で働く外国人を採用しているわけでない点は楽天の採用活動の特徴といえるだろう。インドと中国以外の外国人は日本への留学生が多い、と楽天広報部は話す。
「採用では国籍にはこだわっていません。当社のフィロソフィー、楽天主義に共感していただけるかどうかが重要です」
実際、楽天の外国人採用の国籍は多様だ。中東、東南アジア、欧米、多くの国籍の社員がいる。将来、27カ国に展開する、という社の目標のために多様な国から人材を採用しているのだ。
ただ中国とインドに関しては、09年からは現地でも採用活動を行うなどして、両国合わせて数十人を採用している。現地で採用された人材は半年間、日本語の研修を受けて日本に派遣される。半年でインド人が日本語をマスターできるのだろうか。
「09年に採用したインド人は、半年間でかなり高いレベルの日本語を習得しました。当社会長の三木谷は、インド人が半年で日本語を習得できるなら、10年近く英語を勉強してきた日本人が英語を使えないのはおかしい、使う機会がないだけだ、といっていました」(広報部)