NTTドコモ新社長はアマゾン、楽天を追いかける【2】

ドコモでしかできないことをせよ

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NTTドコモの歩み

現状は、NTTドコモにとって、端末メーカーは下請けのような存在だ。NTTドコモの意向に沿って、メーカーは製品を企画、開発している。最近では、端末メーカー側がNTTドコモに製品の企画を提案し、採用されれば製品化されるケースもあるが、やはり主体はNTTドコモ側にある。

国内メーカーの携帯電話部門をNTTドコモが買い取れば、他の国内キャリアに端末を納入するということもなくなる。すなわち、KDDIやソフトバンクモバイルは海外メーカーと残った国内メーカーからしか端末を調達できなくなってしまう。もし、NTTドコモが海外キャリアを買収し、傘下に収めていたら、その国に向けて端末を輸出するルートも確保できる。

「ドコモは日本にある一企業ではなく、グローバルカンパニーだという宣言をして、海外に進出してほしい。なにより、ドコモには優秀な人材と潤沢な資金がある。1位キャリアには頑張ってほしいし、これはKDDIやソフトバンクにはできないこと。産業構造を変えるとか、まったく新しい付加価値を生み出すとか。そういうところから1番近いところにドコモはいる。小さい案件で足踏みするのでなく、大きなチャレンジをしてほしい」（夏野氏）

「Amazonを目指すべきなのか、ボーダフォンに勝負を挑むのか」。iPhoneがないなか、国内でのシェア奪還が難しいとされるNTTドコモ。次の成長戦略を描くには、やはりグローバル展開の強化が不可欠ではないだろうか。