まずは子ども自身に解決法を考えさせる

親であれば、自分がこの世からいなくなった後も、わが子が新たな時代の荒波の中で、しなやかに自分を生かしながら、人生を主体的に生きてほしいと願っているはずです。

ですから、わが子の価値観を否定するのではなく、現時点でベストだと思われる方法を子どもに考えさせてみましょう。

「その考えを実現するために、どうすればいいと思う?」とか、「そうすると、こんなことになりそうだけど、それはどうしようか?」というような声かけが効果的です。

私の生徒指導の経験上では、意外と「そんなことを考えたのか、なるほど!」と感心させられる答えが返ってくるものです。そこまで感心できる答えが返ってこなくとも、叱ったり否定したりする前に子どもに改善策を考えさせるようにすると、いずれ自分で考えて行動する子になっていきます。

NG3 感情的な叱り方

「何度言ったらわかるの!」という叱り方も避けたいです。もちろん、親だって怒りたくて怒っているわけではないでしょう。感情的に叱りたくなる、むしろ気づいたときにはもう叱っているというのは、それだけ大事なことだからですよね。

叱る大人となく子どものイメージ
写真=iStock.com/Hakase_
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一時的に怒るのをガマンしても、堪忍袋の緒が切れるのは時間の問題です。大きな期待をかけ、大切に思うわが子だからこそ、感情的になってしまうのは当然です。

時には感情的に叱っていいが、メリハリをつける

私は、時には感情的に怒ってもいいと思っています。しょっちゅう感情的に叱っていると、それが日常的になって子どもが慣れてしまって効果が薄くなりますが、たまには感情を出して伝えないと、本気だということが伝わりませんからね。

ただ、感情的に怒った後には、「まあ、そうやって怒ったけれど、ここでひとつ提案ね」というように、がらっと調子を変えて穏やかに伝えてみましょう。そうすると、意外と子どもは素直に聞くものです。

「○○ちゃんはクラスが上がったのに…」は逆効果

NG4 他人と比べる叱り方

「○○ちゃんはクラスが上がったのに、それに比べてあなたは……」という叱り方も避けたいです。具体的な誰かの名前を挙げて比べることで子どもに発奮させたいのだと思いますが、たいていは逆効果です。

子どもに「スマホ買ってよ。○○ちゃんもスマホ買ってもらったんだよ」と言われても、「よそはよそ、うちはうち」と言いますよね。親の理想に近づけたいために誰かを引き合いに出しても、子どもの反発心をかき立てるだけです。

反発しなかったとしても、子どもの自信を打ち砕きます。大人でも、他人と比べられると自分が否定されたような気持ちでやるせなくなりますよね。しかも、それがどうでもいい他人ではなく、いちばん認められたいと思っている親から比較されるのですから、子どもは切なくて屈辱的な気持ちになるのです。