住んで満足できる「マイホーム投資」を

投資として見た場合には「資産価値」を重視すべきだと思われるかもしれませんが、居住用の不動産は、使用することによって満足を得られることが自宅を持つことの一番の価値なのです。これも私は投資と呼んで差し支えないと思っています。

寺岡孝『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)
寺岡孝『学校では教えてくれない! 一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)

「資産価値」は、マーケットにおけるものさしであり、基準は自分の外にあります。それに対して「使用価値」は自分にとっての満足感ですから、基準は自分の中にあると言えます。住まいに求める価値観や判断基準は人それぞれ違います。本来住まいは、自分の価値観に合わせて選ぶものですから「使用価値」を優先するべきなのです。

ただし、「資産価値」を無視するという話ではありません。

例えば、「使用価値」に照らして、ローコスト住宅で十分だという人もいるでしょう。その場合には、立地を重視して土地の「資産価値」を高めるという方法もあります。

ファミリータイプのマンションであれば、都心へのアクセスをある程度犠牲にしつつも、駅近で高級感のある物件を取得することで、「資産価値」を維持することもできます。

「使用価値=住まいへのこだわりや満足感」を優先しつつ、「資産価値」への目配りも忘れないことが、「マイホーム投資」へつながっていきます。

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