傲慢な一部の医療従事者に対する不信感

では、なぜ「#医療従事者に感謝」に違和感を覚えてしまうのか。それは、コロナ騒動のなかで一部の医療関係者(主に医師)がひどく傲慢ごうまんに立ち回っていたからである。

テレビや新聞といったメディアに登場した医師たち、そしてX(旧ツイッター)などSNSで「医クラ(医療クラスター)」とも呼ばれた医師たちは、一般社会に対してあまりに扇動的な生活指導を展開した。そのさまは、有無を言わさずに制限を課す権力者、暴君のようですらあった。

たとえば日本医師会の中川俊男前会長は、2020年12月21日に「医療はあらゆる産業で一番重要だと私は思っている」とまで言い放っている。また、町田市医師会の佐々木崇氏は、町田市医師会報第553号に「不要不急の商売は次々と潰れていく」というタイトルのコラムを寄稿。自身が訪れた理容院の感染対策が不十分だと指摘し、理容院を「不要不急」扱いした。ここにも「医療こそ至高」という考えが透けて見える。医師は選民だとでも言うのか?

コロナ騒動を通じて強化された発言力に気をよくしたのか、医師たちは以下のような要求を国民に突き付けた。

・家にいましょう
・県をまたぐ移動はやめましょう
・会食はやめましょう
・マスクを着けましょう
・レジではビニールカーテンをつけましょう
・席にはアクリル板を設置しましょう
・給食は黙って食べ、14分59秒以内に終わらせましょう(15分を超えると濃厚接触者になってしまう可能性があります)
・おじいちゃん、おばあちゃんを守るため、帰省はやめましょう
・コロナに感染させて殺すのは大ごとなので、高齢者の見舞いはやめましょう
・他人のために「思いやりワクチン」を打ちましょう
・酒は20時までの提供とし、4人以下で飲みましょう。制限時間は2時間です
・文化祭、体育祭、授業参観、修学旅行、入学式、卒業式等学校行事は中止です
・祭をしてはいけません。人が集まる行為はどこかの誰かの大切な人を殺します
小池百合子知事が3密を避けるよう訴える動画がアルタビジョンに映っている
写真=iStock.com/Fiers
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「お願い」「奨励」を「強制」「義務」と解釈する社会

これらは表向き、あくまで「お願い」「推奨」という形をとっていた。だが、権威とされるものを簡単に信じて従順なイヌのごとく付き従い、空気ばかり読んですぐ同調圧力に屈してしまう日本国民は、“コロナ相互監視社会”を見事なまでに完成させた。そうして「お願い」や「推奨」を、「強制」「義務」と解釈し、従わない者を徹底的に糾弾した。こんな異常な社会で、われわれは約3年半もの時間を無為に過ごしてきたのだ。

コロナ騒動を煽る医療従事者からは、連日のようにテレビの情報番組などに出演するスター解説者(笑)も多数輩出された。また、SNSの医クラ連中も、居丈高に感染対策の強化やワクチン接種を強要し続けた。なかには「マスクをしない人は高圧放水で攻撃してもいい」といったことまでのたまう医者もいた。