労働需要が伸びていくSEやプログラマーは安泰

また、この調査結果は、少し前に紹介したオンライン就職斡旋業者によるアンケート調査とは相反する結果となっています。つまり労働者側では若年層になるほど生成AIに恐怖心を抱いていますが、実際の効果を見る限り、むしろ生成AIは若年労働者の味方になる可能性が高いようです。

その一方で、生成AIの導入によって個々の労働者の生産性が上昇すれば、同じ仕事をこなすために必要な労働者の数は減少するということにもつながります。もちろん、その仕事に対する社会的な需要が今後、どんどん高まっていくのであれば問題ありません。

たとえばソフトウエア開発者、つまりシステムエンジニア(SE)やプログラマーに対する労働需要は現在非常に高いし、今後も相当の伸びが期待されます。ですから、その業務をサポートするGitHub Copilotのような生成AIがソフト開発の現場に導入されても、それによってSEやプログラマーの雇用が失われる危険性は(少なくとも当面は)低い。むしろ個々の労働者の生産性を上げるプラス効果の方が大きいでしょう。

デスクトップコンピュータバックライトキーボードでの人の手の入力に焦点を当てます。画面 コーディング言語ユーザー インターフェイスが表示されます。ソフトウェアエンジニアが革新
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人間たちを働かせる「新しい職業」は生まれるか

逆に新聞・雑誌記者のような文筆業者の場合、今後、それほど高い労働需要は期待できない。となると、ChatGPTのような生成AIは(どちらかと言えば)味方というよりも敵になってしまうかもしれません。

よりマクロな視点から見ると、「生成AIによって代替された雇用を補う、あるいはそれを上回るほどの雇用を生み出す新たな職種(業界)が生まれるかどうか」が重要なポイントです

18世紀後半の産業革命以降、蒸気機関や電気技術、半導体技術やロボティクスなど次々と画期的な技術が誕生し、多くの労働者はそれに翻弄されてきました。しかし今から振り返れば、そうした新しい技術は次々と新しい職業も生み出し、総合的に見れば雇用市場は拡大してきました。

問題は「今回の生成AIでも同じ結果になるかどうか?」ということです。