欲を常に「1つ」にする

人生のどんな状況にも、選択肢は必ず3つある。変えるか、受け入れるか、放っておくかだ。何かを変えたいと思うのは、欲望だ。変えることに成功するまで苦しみつづけることになる。だから欲望を持ちすぎてはいけない。どんなときでも、目的意識とモチベーションを持つために、人生の大きな目標を1つ選ぼう。

Qなぜ「2つ」ではいけないのですか?

気が散るからだ。1つでも十分大変だよ。平安は雑念のない心から生まれる。そして、雑念のない心は、今この瞬間を生きることから生まれるんだ。「これをしなくては、あれが欲しい、これを変えなくては」なんて考えていると、今この瞬間を味わうことは難しい。

もう一度。選択肢はつねに3つある。変えるか、受け入れるか、放っておくかだ。でも、何かを変えたいと願いながら変えなかったり、放っておきたいと願いながら放っておかなかったり、受け入れたいと願いながら受け入れないのは、よい選択とは言えない。

ほとんどの苦しみは、こういう迷いや尻込みから生まれるんだ。私が頭の中でおそらく一番よく自分に言い聞かせている言葉は、「受け入れろ」だ。

厄介事に対処するためのコツ

Qあなたにとって「受け入れる」とはどういう状態のことですか?

どんな結果が出ても気にしないこと。バランスと重心が取れていること。一歩下がって大局的に物事をとらえることだね。

私の求めるものが必ず手に入るとは限らないし、もしかすると今起こっていることが私にとって最善のことなのかもしれない。それを現実として早く受け入れれば受け入れるほど、早く適応できる。受け入れる状態に達するのはとても難しい。私がいつも試しているコツが2つほどあるけれど、いつも効果があるわけじゃない。

1つめのコツは、一歩下がって今までの人生で経験した苦しみを見つめることだ。それを書き出してみる。

「この前誰かと破局したとき、仕事で失敗したとき、健康問題を抱えていたとき、どうなっただろう?」

そうすると、そこからの数年間で自分がたどった成長と向上を振り返ることができる。

もう1つ、小さな厄介事に対処するためのコツもある。厄介事が起こると、私の一部は瞬間的にネガティブに反応する。でもそこで、「この状況のポジティブな面は何だろう?」と考えることを学んだんだ。

たとえば、「おや、渋滞で会議に遅れそうだ。でも私にとってのメリットは何だろう? しばらくの間のんびりして鳥を眺めていられる。退屈な会議で過ごす時間が減った」なんて考える。